金井美恵子『ページをめくる指』(平凡社ライブラリー)を読む。楽しい読書だった。副題が「絵本の世界の魅力」といい、雑誌『母の友』に連載した絵本をめぐるエッセイをまとめたものに、石井桃子へのインタビューなどを加えている。最初に片山健の『タンゲくん』(福音館書店)が取り上げられる。片目の野良猫で、名前は丹下左膳から採られている。早速読んでみたが、楽しい絵本だ。片山の描く猫の絵がいい。 あるひ わたしたちが/ばんごはんを たべていると、/いっぴきの みたこともない ねこが/のっそり はいってきました。 ねこは かたほうの めが/けがで つぶれていましたが、/とても りっぱでした。 あたりまえのように/わたしの ひざのうえに すわると、/おとうさんも おかあさんも/なにも いいませんでした。 この文だけからでも猫の出自や「わたし」の家庭のことなど色々考えられる。 「おおきなおおきな くま」と題された
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