橋本治さんが亡くなった。亡くなったのは1月29日、70歳だったという。死因は肺炎ということだが、去年癌の摘出手術を受けていたのらしく、併発症ってことなんじゃないかな、と思う。以前から難病認定され、最近読んだ本も執筆ではなく口述だったので、「橋本さんも年取ったなあ」と感じていたが、『九十八歳になった私』なんて本も書いてたんだから、やっぱり98歳までは生きろよなあ、とちょっと悲しい気分で思ったりした。 橋本さんの紹介文では真っ先に小説家であり処女作『桃尻娘』の著者、ということになっているのだが、オレにとって橋本さんは100%評論の人だった。オレが最初に読んだ橋本さんの本は『親と子の世紀末人生相談』という本だった。橋本治の名前も知らずになんでこの本に手を出したのか覚えていないのだが、多分装丁に惹かれたのと、当時相当にシニカルな性格だったので、「世紀末人生相談」というタイトルに何か感じるものがあっ