廃虚探訪in茨城<第1回> 各地に残された「廃虚」には、様々な記憶が封じ込まれています。茨城県筑西市にある元ストリップ劇場は、20年以上前に火災に見舞われ中は真っ黒という、想像するだけでぞっとする場所です。そこで見たのは、昭和のバブルの残像と、全国で問題化している所有者がわからない空き家の現実でした。 水戸市から車で約1時間。県西地域に位置する筑西市は農業が盛んで、小玉スイカや梨が特産です。目指す「明野劇場」は、市の中心部から8キロほど離れたところにあります。車から見える景色は田畑に変わり、本当にこんな場所にストリップ劇場があったのか、と疑問も湧いてきます。 目的地の近くに車を止めて外に出てみると、目に映ったのは空を舞うカラスの大群。劇場に続く小道の脇には杉林がうっそうと茂り、不気味さを増長させます。この日はあいにくの曇り空で肌寒く、足取りはさらに重くなりました。 明野劇場をインターネット