世界のオーディオを牽引するビクターはトップマウント構造とマイクロHDユニットを採用したインナーイヤーヘッドホンを発売した。高解像度の音の再生を追い求めた新製品の実力に迫る。 激戦価格帯のヘッドホンを見ればヘッドホンメーカーの音にかける姿勢が見えてくる 少し昔の話になるのだが、ワールド・ベースボール・クラシックで球場入りするイチローが『iPod』で音楽を聴いていた。凛とした表情で集中力を高めていく姿はとても力強く美しかった。だが、アップになった耳元には、付属のイヤホンがそのまま使われていた……「イチローほどの人なら、ヘッドホンもカスタムしているかと思ったが、音質にはあまり気を使わないんだなぁ、この人は」と思ったことを印象的に覚えている。 今、デジタルミュージックプレーヤーを使っている人が、まず気に掛けないといけないのは、自分なりのヘッドホンに何を選ぶかということだろう。出勤途中の電車の中では