このところ、わからない言葉が多い。年をとったのだろうか? いや、横文字のことでも若者言葉のことでもない。政府や首相の使う言葉である。その第一が「愛国心」と「伝統文化」である。辞書的な意味ではなく、「なぜ今、それが声高に言われるのか?」という時代との客観的な関連が、どうもわからないのである。 たとえば教育基本法政府案である。なぜ「伝統と文化を尊重」「我が国と郷土を愛する」という言葉が新たに加えられなければならないか、誰も明快に説明してはくれなかった。なにしろ「国を愛して何が悪い」とか「愛国心は誰にでもある」という言い方は、「今なぜこれが提案されているのか」という問いの答えではないし、論理的な説明ではないからである。 『愛国の作法』はようやく、そこに切りこんでくれた。まずひとつの答は「市場のグローバル化」である。経済の動きは国境を越えてますますスピードを上げている。本書は、そのグローバル化が「
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く