[ロンドン 15日 ロイター Breakingviews] - 日本は今回、円安によって笑顔より涙の方が増えそうだ。通貨安は輸出業者に恩恵をもたらす。しかし目下の円安は、原材料価格の急上昇によって生じた痛みに輪を掛けるものだ。 円相場は今週、ドルに対して約3年ぶりの安値を付けた。年初からは10%下落している。米連邦準備理事会(FRB)が資産買い入れの縮小を計画し、それに伴って米国債利回りが上昇したことが一因だ。しかし円は最近、ユーロに対しても下落している。 このことは輸出企業の競争力を高めるが、輸入物価、とりわけドル建てで取引されるコモディティなどの価格急上昇に弾みを付けるというマイナス面がある。これまでの円安は既に物価に浸透しつつある。日銀が12日公表した9月の企業物価指数では、輸入物価の前年同月比上昇率が31%と記録的な水準に達した。木材・木製品の輸入物価は同72%、石油・石炭・天然ガ