雄大な中央アルプスを車窓から間近に望めるのもJR飯田線の魅力(長野県飯島町、伊那本郷―飯島駅間で)=冨田大介撮影 愛知県の豊橋駅と長野県の辰野駅を結ぶJR飯田線は、普通列車にひたすら乗り続けられるという点で、鉄道ファンに人気のローカル線だ。195・7キロ・メートルの間に94もの駅がある。全駅に停車しながら走る電車が1日に1本だけ、長野県側からの上り線で走っている。辰野駅を12時41分に発車する電車だ。好天に恵まれた4月下旬の日曜日、この電車に乗り込んだ。 2両編成で、座席はボックスシートが中心。昼下がりの車内には、部活帰りの高校生の姿が目立つ。2~3分で次の駅に到着するという感じで、都市部の電車のように走っては止まるを繰り返している。車掌は駅ごとに乗車券を売りに来て、無人駅に着くたびホームに出て乗車券を回収する。結構、忙しそうだ。 春の訪れた南信濃地方。山や木の所々に若い緑色が生まれていた