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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp (12)

  • 中国・三峡ダムに「ブラックスワン」が迫る──決壊はあり得るのか

    <豪雨により被災者1400万人の洪水被害が出ている中国で、世界最大の水力発電ダムの危機がささやかれている。決壊すれば上海が「水没」しかねないが、三峡ダムの耐久性はほぼ臨界点に達しているかもしれない> 6月半ばの梅雨入り以来、中国の南部と西南部では連日の大雨と集中豪雨により、同月下旬には少なくとも198の河川が氾濫し、26 の省・市・自治区で洪水が起きている。倒壊家屋は1万棟以上、被災者は1400万人近くに上り、74万人超が緊急避難した。直接的な経済損失は278億元(約4230億円)に上るという。 洪水だけでも大変なことだが、さらに心配なのが、長江中流にある水力発電ダム「三峡ダム」だ。今、大量の雨水の圧力で決壊するのではと危ぶまれている。 三峡ダムは1993年、当時の李鵬(リー・ポン)首相が旗振り役になり、水利専門家たちの「砂礫が堆積し、洪水を助長する」といった反対意見を無視して建設された

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    tomojiro 2020/07/06
  • 韓国総選挙にデジタル不正疑惑か? 中国から開票機を操作した可能性

    <文在寅率いる与党の圧勝に終わった韓国総選挙で、開票機やファーウェイ製の通信機器、郵便投票と期日前投票に使われたQRコードなどが不正に操作された疑いが浮上> 4月に行われた韓国総選挙は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の与党「共に民主党」の圧勝だった。だがその後、選挙に不正があったという疑惑が持たれている。 イーストアジア・リサーチセンターによると、不正行為はデジタル面に関するものだ。開票機やコンピューターのハードとソフト、そして中国の華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)が製造した情報ネットワーク通信機器が不正に操作されたのではと疑われている。郵便投票と期日前投票に使われたQRコードにも疑惑が持たれている。 同センターによれば、開票機を操作するのに必要な指示は「期日前投票のQRコードやインターネットを介して、外部からメインサーバーに送ることができた」という。 選挙管理当局は期日前投票に使

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    tomojiro 2020/06/01
  • すばらしい「まだら状」の新世界──冷戦後からコロナ後へ

    <冷戦後、自由主義と民主主義の理念が世界を覆うように思われた。しかし、実際にはイスラーム過激派が台頭、米欧は内部に深い亀裂と分裂を抱えている。このようなちくはぐな状況を池内恵・東京大学教授は「まだら状の秩序」と呼ぶ。コロナの夜が明けた時に世界秩序はどう変わっているか。論壇誌「アステイオン」92号は「世界を覆う『まだら状の秩序』」特集。巻頭言を全文転載する> 冷戦が終結した時、三〇年後の世界がこのようなものになっていると、誰が予想しただろうか。フランシス・フクヤマは『歴史の終わり』で、自由主義と民主主義が世界の隅々まで行き渡っていく、均質化した世界像を描いた。それに対してサミュエル・ハンチントンは『文明の衝突』で、宗教や民族を中心にした歴史的な文明圏による結束の根強さと、それによる世界の分裂と対立を構想した。 いずれの説が正しかったのだろうか? 確かに、世界の均質化は進み、世界の隅々まで到達

    すばらしい「まだら状」の新世界──冷戦後からコロナ後へ
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    tomojiro 2020/06/01
  • 「コロナ後の世界」は来るか?

    ユヴァル・ノア・ハラリの「コロナ危機後の世界」についての論考は話題となった REUTERS/Denis Balibouse <ユヴァル・ノア・ハラリの論考が話題となった。ハラリの憂慮するような世界が当に訪れるのであれば大きな問題だし、リベラルでオープンな社会を目指すべきだという主張にも同意する。しかし......> この数週間、世界中の人々の関心は、新たな感染症の拡大と、それに伴う種々の社会的影響に集中している。情報の同期性が強まり、同じ話題をリアルタイムに共有することが可能になった現代では、このような危機的状況での不安や懸念も即座に拡散される。先が見通せない中で、指導者の思い切った決断が必要だとか、もたもたせずに迅速に行動すべきだといった主張も見聞きされるようになった。 そうした中、ユヴァル・ノア・ハラリが日経済新聞に興味深い論考を寄稿している。その内容は、政治的な決断とリーダーシッ

    「コロナ後の世界」は来るか?
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    tomojiro 2020/04/06
  • 欧州の危機はイギリスからドイツへ広がる

    <議会発祥の地イギリスの混乱はヨーロッパの長い苦難の歴史の始まりなのか> 議会制民主主義は多数決のゲームである。利害対立を殴り合いや殺し合いにしないために、多数を取ったほうが「勝つ」ルールを皆が受け入れて成り立っている。 しかし、何が「多数」であるかは、実はそれほど明白ではない。上下院の票が逆転することもあるし、大統領と議会が対立することもある。それでも何が「多数」であるかを、人為的に決めるための仕組みを各国の政治機構は持っている。最古の議会制を持つイギリスでも、崩壊したワイマール議会制の反省の上につくられたドイツでも、それぞれ違う仕組みながら、それは他国がモデルとするほどに機能してきたはずだった──つい昨日までは。 欧州における統治機構が機能不全に陥っている。筆頭はイギリスだ。2016年に国民投票でEU離脱を選んで以来、イギリス政治は漂流を続けている。2019年9月、イギリス議会はその憲

    欧州の危機はイギリスからドイツへ広がる
  • グローバル化の弊害を見落とし、トランプ台頭を招いた経済学者のいまさらの懺悔

    論敵をコテンパンにこき下ろすことで知られるノーベル賞学者のクルーグマン PHOTO ILLUSTRATION BY FOREIGN POLICY, SOURCE PHOTO BY PANAYIOTIS TZAMAROS-NURPHOTO/GETTY IMAGES <グローバル化の行き過ぎと米製造業の空洞化を見抜けず、結果的にトランプ政権誕生を助けたポール・クルーグマンがついに自己批判した> ノーベル賞の受賞者でコラムニストとしても知られる経済学者のポール・クルーグマンは、論敵をコテンパンにこき下ろす激辛の論調で名をはせてきた。 1990年代初めから精力的に著書や論説を発表。急速に進むグローバル化に疑義を唱える論客には片っ端から「経済音痴」のレッテルを貼ってきた。特に中国との競争を危惧する議論を聞くと、「バカらしい」のひとことで切って捨てる。心配ない、自由貿易が自国経済に及ぼす負の影響など取

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    tomojiro 2019/12/03
  • トルコの侵攻を黙認する見返りに、米国、ロシア、シリア政府が認めさせようとしていること

    <トルコの侵攻をい止める断固たる行動を伴うことはなかった。米国、ロシア、シリア政府の狙いは......> 膠着状態にあったシリアで均衡崩壊が始まったのかもしれない。 きっかけは、10月6日のドナルド・トランプ米大統領による米軍撤退決定、そしてこれを好機と捉えたトルコによる9日のシリア北東部への侵攻である。「平和の泉」と名づけられた作戦は、国境地帯がテロ回廊になるのを阻止するため、シリア北東部のユーフラテス川以東地域に全長400キロ、幅30キロの「安全地帯」を設置するとともに、同地をシリア難民の帰還場所とすることが目的とされた。 筆者作成 トルコと米国は「安全地帯」を協同で設置することを合意してはいた。だが、排除すべきテロリストの解釈が異なっていた。トルコは、民主統一党(PYD)、人民防衛隊(YPG)、シリア民主軍(SDF)、ロジャヴァ、北・東シリア自治局(NES)などを名乗るクルド民族主

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    tomojiro 2019/10/16
  • マックフライに使う物質で毛髪再生に大成功

    <日の科学者が、脱毛症(禿げ)の治療法を発見したかもしれない。秘密は、マクドナルドがフライドポテトを作る際に使っている化学物質にあるという> マウスの毛の再生を試みた横浜国立大学の研究チームは、「ジメチルポリシロキサン」というシリコンの一種で、マクドナルドがフライドポテトを揚げる際に、油が泡立つのを防ぐために加える化学物質を使った。 予備的実験によると、この方法は、人間の皮膚細胞に用いた場合でも成功する可能性が高いという。 2月1日付けで学術誌バイオマテリアルで発表されたこの研究によると、研究者らは、全く新しい方法で「毛包原基(HFG)」の大量作製をするというブレークスルーに成功した。 毛包原基は、毛包(毛を産生する器官。毛包のうち、皮膚表面から見ることのできる部分は一般に毛穴と呼ばれている)の発達を促す細胞であり、脱毛研究の重要なカギだ。研究者たちによれば、ジメチルポリシロキサンを使用

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    tomojiro 2018/02/07
    最近、日本人が絡む医学研究の成果が結構多い。
  • イエメン、サレハ前大統領の殺害はなぜニュースなのか

    自ら率いる国民全体会議(GPC)の35周年を祝ったばかりだったサレハ(今年8月、首都サヌアで)  Khaled Abdullah-REUTERS <内戦で800万人が飢餓状態にある「最悪」の失敗国家。サウジアラビアとイランが代理戦争を戦う国。サレハはこの国に分断の種を撒き、今日まで権力と富を欲しいままにしていた男。だがサレハのいないイエメンは、サレハがいたイエメンより悪いかもしれない> 内戦が続くイエメンで12月4日、武装した兵士らが毛布にくるまれたアリ・アブドラ・サレハ前大統領の遺体を運ぶ映像がネットに流れ、中東全域に衝撃を与えた。 サレハが率いていた政党「国民全体会議(GPC)」は、サレハは同党のヤセル・アル・アワディ幹事長補佐と首都サヌアを移動中、イスラム教シーア派系武装組織「フーシ派」に殺害されたと確認した。 サレハの殺害は、イエメンの未来と泥沼化した内戦の行方を大きく左右する大事

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  • 「アルツハイマー病は脳だけに起因する病気ではない」、研究結果が明らかに | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    <アルツハイマー病を引き起こすタンパク質のひとつ「アミロイドβ」は脳組織で生成されるものと考えられてきたが、脳以外で生成されたものも原因になりうることが明らかになった> アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)は、特殊なタンパク質が脳の中に蓄積し、正常な神経細胞を変化させることで、脳の働きを低下させたり、萎縮を進行させたりする脳疾患だ。 従来、その原因となるタンパク質のひとつ「アミロイドβ」は脳組織で生成されるものと考えられてきたが、このほど、脳以外で生成されたものもアルツハイマー病を引き起こしうることが明らかになった。 「アミロイドβ」が脳内に入り込み、蓄積し、神経細胞の機能を損なわせる カナダのブリテッシュ・コロンビア大学(UBC)と中国の第三軍医大学との共同研究プロジェクトは、2017年10月31日、医学専門誌『モレキュラー・サイカイアトリー』において、血液循環から生成された「アミ

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  • 講談社『中国の歴史』も出版した中国の「良心的出版人」が消えた

    <5月、知識人の間で高く評価され、理想を追求する良心派だった広西師範大学出版社の何林夏氏が逮捕された。まだ謎の多い事件だが、なぜ彼は当局に「消された」のか> (写真は文と関係ありません) 山水画のような景色で有名な桂林がある中国の広西チワン族自治区といえば、経済発展のレベルからすれば、真ん中よりかなり下のほうにある、というイメージが強い。文化的にはもっと評価は低いかも知れない。そんな広西・桂林に社を置く「広西師範大学出版社」は、この10数年、「理想国」などのブランドを打ち出してほかの出版社が手を出さない良書や問題作を次々と世に問うことで中国の出版界を席巻し、知識人の間で高い人気と信用を築いてきた。講談社の大著シリーズ『中国歴史』も翻訳出版し、一昨年に大ヒットさせたことで日の出版界で話題になった。中国でこれまで3冊を出している私も、いつか「理想国」でを出してみたいと内心期待してい

    講談社『中国の歴史』も出版した中国の「良心的出版人」が消えた
  • 英霊をとむらうことより大事なのは新たな英霊を出さないこと

    安倍首相が昨年末に突然、靖国神社を参拝したことは、年明けにもいろいろな波紋を広げている。海外の反応は、中国韓国はもちろん、欧米でも批判一色だ。首相は年頭の記者会見で「中国韓国にもていねいに説明していきたい」と語ったが、彼らが首脳会談に応じる見通しはない。 各社の世論調査では支持する声が多く、「国内問題に外国がとやかくいうのはおかしい」という反発が強い。安倍氏のFacebookページには8万以上の「いいね!」が集まった。「国のために死んだ祖先を国の指導者が慰霊するのは当たり前だ」という国民感情が強いのだろう。 しかし靖国神社は、国のために死んだ人を追悼するために建てられた神社ではない。それは戊辰戦争で天皇のために戦死した者をとむらう神社として創立されたのだ。靖国には坂龍馬や吉田松陰もまつられているが、彼らは「国のために死んだ」のではなく「天皇のために死んだ」のだ。他方、明治維新の功労者

    tomojiro
    tomojiro 2014/01/10
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