21日夕、満月が地球の影にすっぽり隠れる皆既月食が全国で見られる。皆既中の月は普通はオレンジ色だが、今回は上空を漂う火山灰の影響で、暗く赤い、珍しい月食になりそうだ。 皆既月食は太陽と地球、月が一直線に並ぶ現象。地域によって月の出の時刻や高度が異なるものの、全国どこでも同じ時刻に始まる。今回は月が昇った時すでに部分月食に入っている。皆既は午後4時40分から午後5時53分までで、月食は午後7時1分に終わる。 今回、暗く赤い月食になりそうなのは、今春、欧州便などで欠航が相次いだアイスランドの火山噴火があったからだ。火山灰は数年、上空を漂って月の光を遮る。1982年の月食はメキシコの火山噴火の影響で皆既中ほとんど見えず、93年の月食も91年のフィリピン・ピナトゥボ火山噴火の影響で暗かったという。 国立天文台は「皆既中の月の色は毎回異なる。今回はどんな色か、ぜひ観察して、報告してほしい」とし