二種類の「古本屋」から考える 突然だけれど、「古本屋」といわれたとき、あなたの頭にはどういった風景が思い浮かぶだろうか。 薄暗く狭い店内にぎっちりと本が重ねられ、店の奥ではこわそうな店主のおやじがぶすっとした顔で座っている―― あるいはこうだろうか? 蛍光灯で明るく照らされた店内にはぴっしりと本が並べられ、そこかしこにいる制服を着た店員がにっこりとした顔で呼び込みをしている―― 多くの人にはこの二つの光景のどちらかが思い浮かんでいるのではないだろうか。まったく異なるこの二つの古本屋は、そっくりそのまま「ブックオフ以前」と「ブックオフ以後」の古本屋に対応している。日本を代表する古本屋チェーンである「ブックオフ」。「新古書店」ともよばれる矛盾した呼び名があるその古本屋は、それほどまでに日本の古本をめぐる風景を変え、そしてそれは古本の風景だけではなく、本そのものをめぐる風景をも変えたのだ。 どう
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