ブラック企業ビジネス [著]今野晴貴 昨今頻繁に目にする「ブラック企業」という言葉。だがその実態や社会背景は、今なお正しく認識されているとは言い難い。『ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪』で、単なる違法企業の問題ではなく、私たちの社会そのものに巣食う悪弊として問い直した筆者による続作。本書ではより具体的に、ブラック企業の業態を助けるさまざまな「ビジネス」を詳解している。 たとえば、ブラック企業を法制度面から支える弁護士や社会保険労務士のような「ブラック士業」という存在。彼らは過酷な雇用環境に対し声をあげた当事者を、脅しや法制度の意図的誤用などの手法を用い追い込んで行く。企業も士業も、利益を生むための行動はすべて「正義」というビジネスの論理。だが、社会全体からすれば部分の最適化に過ぎず、結果として弊害をもたらすと、筆者は警鐘を鳴らす。 学生の就職率を上げたい学校も、ブラック企業ビジネスの加担