この『葛城事件』は、デビュー作となった『その夜の侍』(12)に続いて2本目の監督作になるわけですが、先行した舞台版とは少し肌合いの違うものになりましたね。 13年に上演した舞台は、ある事件をモチーフにしていて、無差別殺人へと走るモンスター的な次男を生みだしてしまった家族の悲哀を描くことが中心でした。今回映画化するにあたっては、もっと様々な事件を調べ、複合化しました。そもそも舞台版でもそうでしたが、特定の事件の異常さ、陰惨さを打ち出したいわけではなかったんです。なので映画では若葉(竜也)くんが演じた「稔」は、どんな家庭にも現れるであろう可能性を秘めたキャラクタ―に書き直そう、と。そこをまず前提にして描こうと思いました。 いままで2本とも原作はご自身の戯曲ですけれども、映画化を想定して書かれたりすることもあるのですか? 『その夜の侍』では全くそんなことはなかったのですが、『葛城事件』は舞台の台
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