タグ

ブックマーク / note.com/fumiya_iwakura (2)

  • 『ナミビアの砂漠』感想|岩倉文也

    河合優実が演じる主人公のカナは、きちんと働いてはいるものの無気力で、特にこれといった趣味も目標もないままに、ぼんやりと生きている(ように見える)。 そんなカナの生き方が、ストーリーによってではなく、カナの細かな挙措や身体の動かし方、表情などを日常のあらゆる場面において写し撮った映像によって語られていく。 カナは何も考えずに生きている、訳ではない。ただその考えが、どのような形によっても表出されることがなく、身体の、顔付きの、動作の、隅々に漠然とわだかまっている。それが、突然の路上での側転や、恋人への暴力となって激発する。 そんなカナにとって、生活での唯一の慰めは、ナミビアの砂漠と、そこに集まる動物たちの姿を映したライブ配信を眺めることだ。もしカナが、ひと昔もふた昔も前に撮られた映画の主人公なら、退屈な日常からは隔てられた場所に存在するアフリカのナミビアに憧れ、その地を踏むことを夢見たかもしれ

    『ナミビアの砂漠』感想|岩倉文也
    txmx5
    txmx5 2024/09/28
  • lain全話レビュー|岩倉文也

    Layer:01 WEIRD 『Serial experiments lain』について語ることはぼくの詩的来歴について語ることと等しい。あるいはまったく無関係である。さて第一話。まずは電気を消すことからはじめよう。このアニメは暗い部屋のなかでしか楽しむことができない。暗い部屋をもたないものは、どんな鋭敏な感性をもっていても詩を書くことはできない。目を病むことなど些細な問題である。アニメとは、暗い中に浮かび上がってこそ価値があるというものだ。 オープニング曲である「DUVET」を聴きながら考える。ぼくが『lain』と出会ったのは灰色の地方都市にある小さなレンタルビデオショップにおいてであった。ぼくは十四歳。ぼくはそのころ人間だった。限りなく人間だった。なにをしていたか? 人間を。勉強をし竹刀を振り、顔に湧いたニキビに気を病んでいた。たしか、友達だっていたはずだ。時は二〇一二年。ぼくは取りあ

    lain全話レビュー|岩倉文也
  • 1