タグ

ブックマーク / www.webdoku.jp (9)

  • 【今週はこれを読め! SF編】地球と人間についての脅威と希望~日本SF作家クラブ編『地球へのSF』 - 牧眞司|WEB本の雑誌

    【今週はこれを読め! SF編】地球と人間についての脅威と希望~日SF作家クラブ編『地球へのSF』 文=牧眞司 『ポストコロナのSF』『2084年のSF』『AIとSF』につづく、日SF作家クラブ編の書き下ろしアンソロジー第4弾。先行する三冊にくらべ、『地球へのSF』という括りかたは曖昧だが、そのぶん多彩な作品が集まったとも言える。「まえがき」で同クラブ会長の大澤博隆さんは、〔そもそも「地球」をテーマに視線を飛ばせること自体が、SFの特技ではある〕と述べている。全二十二篇。 ディストピア的状況を描いた作品では、上田早夕里「地球をめぐる祖母の回想、あるいは遺言」が出色の出来。テラフォーミング途上の火星において、入植第一世代の祖母と火星生まれの孫との会話によって、地球が精神の自由を喪失した経緯が明かされる。それはいまの日を蝕む格差・棄民・監視・情報統制の行きつく先にほかならない。火星に逃れた

    【今週はこれを読め! SF編】地球と人間についての脅威と希望~日本SF作家クラブ編『地球へのSF』 - 牧眞司|WEB本の雑誌
  • 【訃報】目黒考二 逝去のお知らせ - 本の雑誌特派員|WEB本の雑誌

    の雑誌」創刊者で弊社前社長の目黒考二(めぐろこうじ)が、2023年1月19日10時、肺がんのため永眠しました。享年76歳。みなさまには生前のご厚誼に心から感謝いたしますとともに、ここに謹んでお報せ申し上げます。 葬儀は近親者のみにて家族葬として執り行います。誠に勝手ながら、御香典、御供花、御供物の儀はご辞退申し上げますことをご了承ください。後日、お別れの会を執り行う予定です。 目黒考二は名のほか、文芸評論家・北上次郎、競馬エッセイスト・藤代三郎の名でも幅広い執筆活動を続け、エンターテインメント書評という新しい分野を確立しました。社員一同、故人の遺志を継ぎ、「の雑誌」をみなさまからより愛読される雑誌にしていく所存です。 なお、大変恐縮ではございますが、ご遺族および椎名誠氏へのお問い合わせや取材につきましては差し控えてくださいますよう、何卒ご理解とご協力の程、よろしくお願い申し上げます

  • 【書評】『「Guitar magazine」2017年4月号』ギター・マガジン編集部 - 横丁カフェ|WEB本の雑誌

    Guitar magazine (ギター・マガジン) 2017年 4月号 (CD付) [雑誌]』 リットーミュージック 商品を購入する Amazon HMV&BOOKS 今回はイレギュラーではあるが雑誌の紹介になる。の紹介ではないがお許しください。 特集があまりにも素晴らしく、またこの特集だけでも1冊のが出来てしまう位に内容が充実しているためである。「恋する歌謡曲」と題した何と104ページの総力特集である。 歌謡曲の全盛期は70年代~80年代半ばまでで、当時は「夜のヒットスタジオ」、「ザ・ベストテン」といった音楽番組が存在し社会的にも大きな影響を与えていた。そのため音楽に興味のない一般の人でも、当時のヒット曲を知らない人はいなかったくらいである。 これこそが歌謡曲の凄いところである。 そのヒット曲の大きな魅力のひとつがイントロである。当時の基は長くて8小節。その短い区画で編曲者達が

    【書評】『「Guitar magazine」2017年4月号』ギター・マガジン編集部 - 横丁カフェ|WEB本の雑誌
  • WEB本の雑誌

    【今週はこれを読め! ミステリー編】作者の原体験が盛り込まれた辻真先『命みじかし恋せよ乙女 少年明智小五郎』 辻真先の新刊題名を見て、おっ、と思わず声が出た。 『命みじかし恋せよ乙女 少年明智小五郎』(東京創元社)である。副題を...

    WEB本の雑誌
  • 【訃報】吉野朔実さん - 本の雑誌特派員|WEB本の雑誌

    の雑誌」で〈吉野朔実劇場〉を連載中の吉野朔実さんが、ご病気のため4月20日にご逝去されました。 謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

  • 【今週はこれを読め! SF編】自足した孤独の《八世界》、いまヴァーリイの眼で世界を見る - 牧眞司|WEB本の雑誌

    ジョン・ヴァーリイは1970年代半ばにアメリカSF界に華々しく登場し、あまりタイムラグなく日へも紹介された。とにかく新鮮だった。衝撃的なSFではすでにバラード、エリスン、ディレイニー、ティプトリーなどがいたが、ヴァーリイはそうした先鋭的なタイプと異なる「居心地の良さ」があった。それは自閉的なファンタジイなどではなく、世界へ向かって窓を穿つ感覚をともなっている。 『汝、コンピューターの夢』に収められた七篇は、いずれも初期作品(74〜76年の発表)であり、人間が太陽系諸天体へ移住したのちの《八世界》を舞台にしている。《八世界》とは水星、金星、月、火星、土星の衛星タイタン、天王星の衛星オベロン、海王星の衛星トリトン、冥王星だ。人類の宇宙進出後の未来史を扱ったSFは枚挙に暇がないが、《八世界》が先行作品と一線を画すのは「人類は地球から追いだされた」点だ。超越的な侵略者が地球を占拠し、暮らしていた

    【今週はこれを読め! SF編】自足した孤独の《八世界》、いまヴァーリイの眼で世界を見る - 牧眞司|WEB本の雑誌
  • 【今週はこれを読め! SF編】伝統的なSFの設定・アイデアの数々に、独自のテーマと風合いを盛りこむ - 牧眞司|WEB本の雑誌

    『怨讐星域』! この表題にたじろぐが、内容はバイオレンスやハードボイルドではなく、あくまで世代宇宙船と惑星植民の物語だ。「怨讐」はしっかりと描かれているが、それは個々人の直線的な感情ではなく、まとまった社会・文化の底流としてである。 たたずまいは伝統的なSFだ。ファンにとっては懐かしい設定やアイデアをいくつも組みあわせながら、梶尾真治一流の温かみとコクのある作品に仕上がっている。物語全体のスケールが大きく文庫版三分冊のボリュウムながら、挿話ごとに独立した山場があり、それぞれに登場人物の心情に沿った感動が味わえる。 太陽フレア膨脹による地球壊滅が予測され、世代宇宙船による脱出が極秘裏に計画された。この宇宙の方舟「ノアズ・アーク」に乗ることができるのは選ばれた三万人だけだ。ちょっと年季の入ったSF読者なら、この発端にJ・T・マッキントッシュの『300:1』を連想するだろう。しかし、マッキントッ

    【今週はこれを読め! SF編】伝統的なSFの設定・アイデアの数々に、独自のテーマと風合いを盛りこむ - 牧眞司|WEB本の雑誌
  • 第1回 「禿げ気味のみなさああん!」と、道重さゆみ(モーニング娘。)は言った。 - 「50代からのアイドル入門」大森望|WEB本の雑誌

    時は2013年11月28日。ところは日武道館。「モーニング娘。コンサートツアー2013秋~CHANCE!~」のファイナル公演、最後のMCでマイクを握ったモーニング娘。8代目リーダーの道重さゆみは、先輩も同期もいない初めてのツアーで不安だったけれど、蓋を開けてみると大丈夫でしたと語り、「なぜだと思いますか?」と客席に問いかけたあと、 「それは、後輩たちが頼もしくなっていたからです」と答えて、キャリアの浅い10代のメンバーたちを落涙させた。 思えばこの名台詞が翌年の卒業発表への伏線だったわけですが(後輩が立派に成長したので、もういつ辞めても大丈夫、の含意がある)、ここで紹介したいのは、この感動シーンの直後、道重さゆみが客席に向かって放った強烈な煽り。後輩メンバーに続いて武道館を埋めつくすファンに感謝を捧げる流れで、 「きょうここにいる男性のみなさん」ウォーウォーウォーウォー(客席の男性の歓声

    第1回 「禿げ気味のみなさああん!」と、道重さゆみ(モーニング娘。)は言った。 - 「50代からのアイドル入門」大森望|WEB本の雑誌
  • 作家の読書道:第60回 中原 昌也さん

    第60回:中原 昌也さん (ナカハラ・マサヤ) 非常に個性的かつ魅惑的な作風で、読者を奇妙な感覚に誘ってくれる中原昌也さん。小学校時代のSF好きに始まり、実に幅広い読書歴の持ち主。音楽活動でも実績を持ち、映画にも精通している彼は、どんなを好んできたのか。そして、そんな彼の目から見た、今の文学とは? 忌憚ない、生の声を聞かせてくれています。 (プロフィール) 1970年生。2001年『あらゆる場所に花束が……』で第十四回三島由紀夫賞を受賞。著書に『マリ&フィフィの虐殺ソングブック』『名もなき孤児たちの墓』など。 『宇宙戦争』 H.G. ウェルズ(著) 東京創元社 630円(税込) >> Amazon.co.jp >> HonyaClub.com 『ひまつぶし』 クロード・クロッツ(著) ハヤカワ文庫 357円(税込) ※絶版 >> Amazon.co.jp 『SFベスト・オブ・ベスト(上・

  • 1