言葉のゴミ溜めが豊かな土壌を生み出す可能性に賭ける試み最近、ブラジルの音楽が面白い。面白いのと同時に、新しさを感じるのだ。ブラジルの音楽が明らかに今までとは違う響きをし始めている。その新しさの象徴がアンドレ・メマーリであったり、ここにも参加しているアントニオ・ロウレイロであったり、本作の主役ハファエル・マルチニだろう。同時代の同地域に何人もの才能が現れ、それらが同じような感覚を共有し、繋がっていく一つの小さくないうねりのようなものを今のブラジルには感じるのだ。例えるなら、70年代ミナスの「街角のクラブ」のように、などと言えるのかもしれない。 ここで新しさを最も感じさせるのはアントニオ・ロウレイロのドラムだ。あのどこまでもそっけないほどクールで、わかりやすい温もりや感傷を拒むようなどこまでもドライなビートが本作の印象を決定づけている。ここではアントニオ・ロウレイロ自身のアルバムほどのインパ