SAULT(ソーともソールトとも呼ばれる)というアーティストの存在を知ったのは一年ほど前の2019年秋で、bandcamp でたまたま『7』というアルバムに出会ってからだった。SAULTはその数か月前に『5』も出していて、そちらもすぐに入手したのだが、それらは5枚目のアルバムでも7枚目のアルバムでもなくファースト・アルバムとセカンド・アルバムにあたり、何ともおかしなことになっていた。アーティストに関する情報は全くと言っていいくらい出回っておらず、というか意図的に情報を隠しているような印象を受けた。いまのネットやSNSが発達した世の中にあって時代と逆行するというか、逆にミステリアスな情報統制をしているようでもあり、とにかく彼らは一体何者なのだろうと興味が膨らんでいった。アーティスト情報がない分、余計な忖度もなしに音を聴いて良いか悪いかを判断することができ、その結果『5』も『7』もとにかくカッ