宇宙の成り立ちに欠かせないものとして、半世紀近く前にその存在が予言されながら見つかっていなかった「ヒッグス粒子」とみられる素粒子が、日米欧などの国際的な研究グループによって発見されました。 ヒッグス粒子とは何なのか、今後、どのように生かされていくのか、科学文化部の春野一彦記者が解説します。 “神の粒子” ヒッグス粒子は私たちの身の回りも含め、すべての宇宙空間を満たしている素粒子として、1964年にイギリスの物理学者、ピーター・ヒッグス氏が存在を予言しました。 もし、ヒッグス粒子が存在しなければ、宇宙を構成するすべての星や生命が生まれないことになるため、「神の粒子」とも呼ばれています。 最後の素粒子 私たちの宇宙は、1960年代以降まとめられた現代物理学の標準理論で、17の素粒子から成り立っていると予言されました。 これまでに、クォークやレプトンなど16については実験で確認されてきまし