ドナルド・トランプ米大統領(70)は中東和平で、パレスチナ国家を樹立し、イスラエルと共存させる「2国家」案にこだわらず、「1国家でもよい」と衝撃の発言をした。国際公約を一方的に放り出し、イスラエルびいきをそのまま表明したように見えるが、イスラエルにとって良いことばかりではない。 (※3月3日にアップされた記事を再掲載しています) 「1国家」案の弱点をついたのは、パレスチナ側のスポークスマン役、ハナン・アシュラウィ氏だった。「もしも『1国家』和平でやるなら、すべての住民に等しく市民権を与えなければならない」と主張した。2月15日、トランプ氏がイスラエルのネタニヤフ首相との共同記者会見で、突然の方針転換を表明した直後のことだ。 パレスチナ側が譲歩を示唆したわけではない。そもそも、かつて「1国家」を主張していたのは、イスラエルではなくパレスチナ側だった。 イスラエルとパレスチナ占領地--イスラエ