5月16日(月)のNHKBS1「国際報道2016」の特集「サイクス=ピコ協定締結から100年」(特集がほぼそのままウェブサイトの「特集ダイジェスト」コーナーで活字になっています)で、サイクス=ピコ協定をどう適切に理解して、中東の現在の理解につなげていくか、について解説しました。 その冒頭では、近刊の新潮選書『サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』の表紙が映し出されました。 (「本を映し出したテレビ画面を撮影した写真」という若干珍しい構図) 公共放送NHKとしては珍しいことなのではないかと思います。 関西方面の放送局の政治社会バラエティ番組では(旧「たかじん」系をはじめとして)何かとゲストが最近出した本、はたまた司会者までが最近出した本を、やおら懐から取り出して宣伝するのがお約束になっていますが、NHKではあまりそういうことは目にしません。また、今回も、あくまでも本の宣伝ではなく「このテーマで本が
【ウィーン三木幸治】シリア内戦の和平協議再開に向け、米露や欧州、中東諸国による「シリア支援国会合」が17日、ウィーンで開かれた。アサド政権と反体制派は一時停戦で合意していたが、4月に政権側が空爆を激化させたため、反体制派が和平協議を離脱した。今回初めて日本も会合に参加し、米露を中心に反体制派を協議…
Case: Still The Most Shocking Second A Day およそ2年前、世界的な子ども支援団体・Save the Childrenが、シリアでの内戦の惨劇を伝えるショートフィルム『Most Shocking Second a Day Video』を公開し、大きな注目を集めました。 この映像は『シリアで起きていることが、もしイギリスで起こったら?』という仮定のもと、ひとりの女の子にスポットを当てたもの。平和だった彼女の日常生活が戦争によって変化していく様子を描いており、これまでに5,300万回以上も再生されています。 そして今年、その続編となる作品としてリリースされたのがこちらです。 前作では、ロンドンで暮らしていた主人公のLilyが、内戦が勃発したことにより、家を破壊され、父親とはぐれ、そして最後は母親とふたりで難民キャンプにたどり着くところまでが描かれていまし
英秘密情報部(MI6)のサー・リチャード・ディアラブ元長官は、欧州各国が移民危機に対応できることを示せなければ、「大衆の反乱」が起きると警告した。 移民問題をテーマにしたBBCのフォーラムで講演した元長官は、秩序ある移民受け入れのための交渉で、欧州連合(EU)がトルコ国民の査証なし渡航を許可したのは、火の近くにガソリンを貯蔵するようなもので「ねじれた論理」だと語った。 同フォーラムでは、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の特使を務める女優アンジェリーナ・ジョリー=ピット氏も講演。難民に対する人道支援体制は崩壊しつつあるとし、「移民に対する恐怖」を指摘したほか、移民の規制を他の国よりも強めようとする各国が「最低争い」をしていると批判した。 ディアラブ元長官は、欧州に到着する移民は今後5年間で数百万人に上る可能性があると述べ、移民危機が欧州の地政学的様相を変えるかもしれないと指摘。「もし欧
112人を乗せてヨーロッパを目指すゴムボートがリビア沖で拿捕された。沿岸警備隊によると、乗っていたのは全員アフリカ各地の出身で、トリポリの海軍基地に連行された。
ISのテロ等の大規模被害(イラク) 2016年05月17日 20:59 イラクIS 先ほどは米国軍事筋による、対IS戦等に関するかなり楽観的な見方を紹介しましたが、ISの脅威は依然極めて大きいようです。 ・一つは17日バグダッドで、2の市場スークでbアク発があり、併せて少なくとも44名が死亡し、91名が負傷したとのことです(バグダッド北部の庶民の市場での自爆テロで38名死亡、70名負傷した由。他方南部の市場での爆弾事件で6名死亡し、21名負傷した由) http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/iraq/2016/05/17/العراق-13-قتيلاً-و40-مصاباً-في-تفجيرين-ببغداد.html ・他方アンバールの70㎞地点で、ISの自爆車11両の攻撃で、30両の軍車両が爆破され、60名のイラク軍兵士及び民兵が死亡し、
IS関連情勢 2016年05月17日 16:16 ISイラク IS関連情報、断片的ですが、次の通り モースル攻撃の開始というニュースと合わせて、もしかするとさしもの悪逆非道なISの終わりの初めなのでしょうか? もちろんまだ予断はできないし、仮にシリアとイラクで更に地歩を失っても、リビアとかエジプトとかイエメンとかでしぶとく生き延びる可能性が高く、また欧州等その他でのテロが活発化する可能性も強いかと思います。 少なくとも今後数年間、世界がこの災厄から免れることはなさそうです。 ・米国防総省の評価は、ISはイラクでその支配地域の45%を失ったとしている。 これに対してシリアでの支配地域の喪失は16〜20%程度の由。 ISは2014年イラクの西部と北部で、攻勢をかけて、広大な地域を占拠したが、その名中には第2の都市モースルとアンバール県の県都ラマーディが含まれていた。 その後有志連合の支援も受け
シリア情勢(ガス田の爆破等) 2016年05月17日 10:07 シリアIS シリアについて取りまとめたところ次の通りで、断片的ですが、こうしてみると、停戦などという話はどこか遠い国の話のように思われてきます ・15日夕シリア中部のホムスのガス田al sha'irで大爆発が生じた。 個のガス田はこれまでISが支配してきたが、人権網によればISはそこで3発の爆発を起こしており、、ガス田の爆破も彼らの手によるものと思われる由。 なお、最近ホムスではISと政府軍が戦闘を続けているので、このガス田爆破もそれと関連があるかとも思われる http://www.alquds.co.uk/?p=534878 http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/syria/2016/05/17/سوريا-انفجارات-تهز-حقل-الشاعر-الذي-تسيطر
サイクスピコ条約百年に際してのクルド自治区議長の公開書簡 2016年05月17日 11:19 イラククルド そういえば例の悪名高い(要するに第1次大戦で英仏が勝手に中東を分割した協定)サイクスピコ協定ができて100年になるのですね。 中東の歴史でも勉強しているもの以外には誰も知らなかった(と思うが?)この協定は、ISがこれに挑戦し、アラブ全体を支配するカリフ国家を樹立すると宣言したことで、一躍有名になりましたが、al jazeera net はイラク北部のクルド自治区のバルザニ議長が中央政府に、公開書簡を送り「サイクスピコ協定は死んだ、今後は我々自身が自分たちの運命を決めるべき時だ」と声明したと報じています。 バルザニ議長は、現在のイラク政府の混沌(これまでの腐敗と無能に対する民衆の怒りの前に、議会が新しい政府を選出できずに、サドル師などが座り込みを続けていた事態)について、双方が対話を通
モースル解放作戦の開始 2016年05月16日 11:19 イラクIS これまでもイラク高官がモースル解放作戦は始まったと語ったことがあったような気がしますが、今度は米の有志連合代表も作戦の開始を宣言しました。 有志連合代表への米大統領特使(こんな職務があったのですかね?)は15日、アンマンの記者会見で、モースルのISを孤立化させ、包囲し、弱体化する作戦が始まったと語った由。 彼は、このような作戦は1年前には考えられなかったが、その間ISは支配地域を縮小し、攻撃力を失い、防衛的にならざるを得なくなったとして、有志連合は今後毎日モースルに対して精密爆撃を行うと語った由。 また、彼はISが攻撃力を失ったので、最近ではバグダッド近くを含めて、自爆テロに逆戻りせざるを得ないとしたよし(最近の例としてはバグダッド北部だった課のガス・プラントに対する自爆攻撃がある) http://livedoor.b
日本会議、改憲潮流の中の宗教 避けず、貶めず、向き合うこと 塚田穂高 國學院大學研究開発推進機構助教 「日本会議、国家神道の自民党と創価学会の公明党が連合している政権を、野党が共闘し、市民が連合して止めましょう―」 正確な文言は覚えていないが、確かにそういったようなスピーチが聞こえてきた。二〇一六年一月五日、新宿駅西口。SEALDsなどを含む「市民連合」(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合)による約五千人(主催者発表)が集まった年明け初の街宣。人々が沸く中、何か違和感を禁じえなかった。むろん主眼は「野党は共闘」にあるとはいえ、その図式的な、政治的に対抗する勢力の背景に「宗教」があるとし、それとの対峙を煽るような理解と姿勢についてである。 二〇一五年という年は、現在の国内最大の保守・右派合同運動と言える「日本(にっぽん)会議」が社会的に顕在化していった年だった、と言えるかもしれな
2016.05.17 Tue EU、難民問題でトルコ返還策以外を模索?――独は否定 SYNODOSが選ぶ「日本語で読む世界のメディア」 エルドアン大統領の「われわれは自分たちの道をゆく、あなた方も好きなように」との最後通告の後、難民協定の解消を懸念するEUは、ギリシャの島々を含んだ代替案の検討に入った。トルコとの難民協定の解消を懸念するEUは新たな危機に対する代替案を模索している、それによれば、第一選択肢は難民をギリシャでとどめ置くことである。ドイツ政府は、代替案を模索しているというのは憶測だ、と説明した。 欧州連合(EU)は、難民危機でEU崩壊の瀬戸際に立たされたが、トルコとの協定を通じて若干安堵の溜息をついた。だが、同協定が解消されるかもしれない不安に陥った。 EUは、査証免除に対する条件として挙げた反テロ法をトルコが改正しない場合、査証免除を承認しようとしない。その結果、トルコとEU
祖国の惨状を伝える膨大な映像素材を収集し、それらを再構築する独自の表現を模索する。オサーマ・モハンメド監督『シリア・モナムール』 シリア人の監督オサーマ・モハンメドが作り上げた『シリア・モナムール』は、アラブの春以降の変動のなかで戦場と化し、殺戮が繰り返されてきたシリアを題材にしたドキュメンタリーだが、そこから浮かび上がる世界は既成のドキュメンタリーとはまったく違う。 オサーマは、自身が緊迫した現場に乗り込んで、現実を切り取っているわけではない。彼は2011年のカンヌ国際映画祭のパネルディスカッションで、政府軍に不当に拘束され政治犯にされた人々の釈放を訴えたために、フランスへの亡命を余儀なくされた。そして、亡命先のパリで、祖国の惨状を生々しく伝える映像がネット上に日々アップされるのを目にした彼は、膨大な映像素材を収集し、それらを再構築する独自の表現を模索するようになった。 さらにもうひとつ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く