「九月、東京の路上で 1923年関東大震災ジェノサイドの残響」(発行:ころから)が出版され、ネットや口コミで広がりをみせている。著者の加藤直樹さん(46)は、関東大震 災の朝鮮人虐殺について、絶版書を探し出すなどして記録を丹念に調べあげた。在日コリアンや韓国・朝鮮人への排外デモが公然と街頭に登場するなか、過去と 現在を結ぶまなざしから、日本の排外主義の系譜をえぐりだそうと著書は試みた。「これは単なる昔の事件ではなく、現代のヘイトスピーチ(憎悪扇動街宣)に つながっている」と加藤さんは話す。 (聞き手:アジアプレスネットワーク編集部) ◆執筆のきっかけは大久保の差別排外デモ 加藤: 2012年の夏頃から在特会(※)などのレイシスト(民族・人種差別主義者)集団が、新宿区の大久保でデモを始めました。デモの後、かれらは、「お散歩」 と称して、韓流ショップの並ぶ路地に入り込み、「朝鮮人を殺せ」などと