京都府宇治市に住む事務機器卸売業の男性(52)と家族が、自宅兼事務所のそばにできた葬儀会館に対し、「出棺の様子などが克明に見え、日常生活や宗教的感情の平穏が侵害された」などとして、会館のフェンスのかさ上げと50万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が16日、京都地裁であった。井戸謙一裁判官は「日常生活に影響を受け、ストレスを抱いている」などと認め、フェンス工事と20万円の支払いを命じた。 判決によると、葬儀会館は茶畑があった場所で05年10月に営業を始めた。男性方は幅約15メートルの市道を挟んで西側。2階からひつぎが搬入される様子や、遺族・参列者の表情などが克明に見えるため、ベランダに布団や洗濯物を干すことを控え、窓やカーテンを閉め切っている。 判決は「一般に、生者は縁のない他人の葬儀には恐怖のみを抱く」と指摘し、男性側の被害が我慢すべき限界を超えていると認定。葬儀会館に公益性があること