景気が持ち直しつつあるとされるなかで、日本経済は過去最悪水準の需要不足が続いている。内閣府は、日本全体の需要と供給の差を示す「需給ギャップ」が、09年4〜6月期でマイナス7.4%だったと試算した。過去最悪の1〜3月期(マイナス8.0%)からわずかに改善したとはいえ、需要不足の規模は年換算でなお40兆円にのぼっている。 需給ギャップは、実際に生み出されたモノやサービスを表す国内総生産(GDP)と、企業の設備投資や雇用者数などから推計した潜在GDP(供給力)との差を、潜在GDPで割ったもの。GDPギャップともいう。 景気拡大期には需要が増えてギャップはプラス方向に動き、景気後退期は需要低迷でマイナス方向になる。80年代末のバブル期まではプラス基調で、90年代以降はマイナスが続いた。02年から07年までの景気拡大で一時はプラスに回復したものの、昨秋のリーマン・ショック後の世界同時不況で一気に