前回はコンピュータの動く仕組みから仮想化ソフトの必要性,主な仮想化手法,Xenの概要までを紹介しました。今回は,Xenの仕組みの復習とXen上のゲストOSが動作するまでの導入手順の紹介です。SUSE Linux Enterprise Server 10でXenを使えるようにしてみます。 最初に,前回紹介したXenの仕組みについて簡単に振り返ってみましょう(図1)。 まず物理的なハードウエア(コンピュータ)があり,その上に仮想化のためのソフトウエアの階層(レイヤー)として,仮想マシン・モニターがかぶさっています。その仮想マシン・モニターの上でいくつかの仮想マシンが動作します。この仮想マシンを利用して,ゲストOSが動作します。 仮想マシンは「ドメイン」と呼ぶ単位で管理されており,1個のドメインの中ではゲストOSが一つだけ動作します。 ドメインは大きく分けて2種類あります。一つは図1中で濃く描か