安部公房の「良識派」 こんな短い文章を読んだ。 昔、ニワトリは自由だった。 しかしネコやイタチの恐怖があり、遠くまでエサを探しにいっていた。 そこに、人間が現れ、金網付の家を建てやろうという。 この中は安全で餌もちゃんとある。 しかし家には、鍵がかかっていた。 心配するニワトリに人間は、いった。 「もしニワトリに鍵が開けられるのなら、ネコでも簡単に開けられる。」と。 一羽のニワトリが 「話が上手すぎないか。」と疑問を投げかけた。 すると、人間はそのニワトリに、 「ネコに金をもらって、そんなうことを言っている」とスパイ容疑をかけた。 そのニワトリは、ついに仲間はずれにされてしまった。 「人間があれほどいうのだから受け入れよう。もし具合が悪ければ、また話しあいで改めればいいんだから」という良識派が勝った。 ニワトリたちはすすんでオリの中に入っていった。 その後のことは、もうだれもが知っていると