男性から女性への性別適合(性転換)手術を受け、加古川刑務所(兵庫県加古川市)に収容されている受刑者(39)が男性として処遇されているのは人権侵害にあたるとして、兵庫県弁護士会は24日、法務省と同刑務所に対し、女子用施設に移すように勧告したと発表した。 勧告は23日付。 弁護士会によると、受刑者は20歳の頃、海外で性別適合手術を受けた。その後、窃盗容疑などで逮捕、実刑判決を受けて2007年7月、同刑務所に収容された。 同刑務所は、受刑者を性同一性障害と判断し他の受刑者と部屋を別にするなど配慮。しかし、受刑者は戸籍上、男性のため、丸刈りにされ男性用の受刑服を着用、入浴時には男性刑務官が監視しているという。 こうしたことから受刑者は10年6月、「精神的苦痛を受けている」と弁護士会に人権救済を申し立てた。