直上から照りつける太陽が耐え難くなってきて、自然に下を向くと地表からの照り返しもキツかった。 足下に僅かにへばりつく影が、白々と乱反射しているコンクリートと強烈なコントラストを作っている。なんで、こんなオーブンの中のチキンみたいになって歩いているのか…。汗は滴るというより湧き出てきて、濡れたシャツが体にまとわりついて気持ち悪い。汗が溜まってかぶれたヒザ裏が猛烈に痒いが、掻いてしまえば汗疹が酷くなる。僅かに吹いてくる風は涼をもたらすものではなくて、一層の熱をはらんでいる。そりゃそうだ。オーブンの中を吹き抜けているんだから。幻覚か鼻の奥が焦げ臭く感じて顔を上げると、汗が眼に入り込んでしみた。イライラを一層募らせるのは、脇を抜けていくクルマのせい。巻き起こされた音が耳に突き、埃がノドをいがらっぽくさせる。クルマに乗っている連中はエアコンをガンガンに効かせているんだろう。閉め切った窓からは運転手の