平衡系の分子シミュレーションでは,状態間の自由エネルギー差を計算することが主なトピックの一つになります。様々な自由エネルギー計算手法が今日に至るまでに提案されていますが,論文を読んでいると良くお目にかかる「slow-growth法」と「fast-growth法」の内容や違いを説明したいと思います。 ジャルジンスキー等式 「slow-growth法」と「fast-growth法」の説明の前に,導入としてジャルジンスキー等式を簡単に紹介します。 状態Aから状態Bに変化する際の自由エネルギー変化を考えます。 ジャルジンスキー等式によると,自由エネルギー変化は状態Aから状態Bに変化するために要した仕事Wを用いて, が成立します。ここで,<...>は状態Aから状態Bに変化するために要した仕事に関して平均を取ることに意味します。 重要なポイントは,状態Aから状態Bへの変化が非平衡過程であっても成立する
Overview エムスリーエンジニアリンググループ AI・機械学習チームでソフトウェアエンジニアをしている中村(po3rin) です。検索とGoが好きです。 エムスリーではChatGPTの可能性にいち早く注目して活用を検討している段階ですが、本格的なデータ投入にはまだ懸念もあり、セキュリティチームと検討を進めている段階です。 そんな中で個人または組織のドキュメントのセマンティック検索と取得を可能にするChatGPTプラグイン「ChatGPT Retrieval Plugin」が登場しました。 github.com 情報検索好きとしては黙っていられず、外部公開用のエムスリーAI・機械学習チームのメンバー紹介ドキュメントを使ってローカルで試してみました。 # 用意したドキュメント 中村弘武は東京都在住で、エムスリーという企業で働いでいます。 エムスリーの検索基盤を主に担当しています。また、書
This paper deals with a kind of feedback linearization method for the nonlinear affine systems. In case of the standard feedback linearization method, the coordinate transformation is used and the nonlinear terms are canceled by using the nonlinear state feedback. Then, the input-output relation of the systems are linearized in the wide range of the state space. It is well known that the control s
ラドンニコディムの定理と呼ばれる,測度論における「微分」を扱う定理を紹介しましょう。 これは確率論における条件付き期待値にも使われる概念であり,とても重要です。 ラドンニコディムの定理 (Radon–Nikodym theorem) (X,\mathcal{F}) を可測空間, \mu,\nu をその上のσ有限な測度とする。さらに \nu が \mu に関して絶対連続(\color{red}\nu \ll \mu)とする。このとき, \mu に関して局所可積分な非負関数 f\in L^1_{\mathrm{loc},+}(\mu) が(\mu–a.e.の意味で)一意的に存在して, \color{red}\nu(A)=\int_A f \, d\mu,\quad A\in \mathcal{F} とかける。このときの f を \color{red} \dfrac{d\nu}{d\mu} とか
括弧内は投稿日. 新しいものを上に書き足します. (過去ログ), (過去レポ) (投稿日 2023/10/04) 2023年度版ホームページ開設 テキスト テキスト GDBを使えるようになろう. 動画版 vscodeの場合 Globalを使おう. 動画版 Windowsで開発するのはおすすめしない. 仮想マシンにLinuxを入れるのを推奨します 補足資料: uftraceについての紹介ブログ uftrace 紹介編 gnumericへ適用編 教科書執筆後, 補足資料として執筆 (自分も教科書の代わりにブログを書いてみた). 参考: uftraceが上手く行かないときの代わりになるかもしれないツール libitrace 説明スライド イントロ (説明予定: 第1回) Gitについて (説明予定: 第2〜3回), イントロスライド 提出物について (説明予定: 後半) レポートその他の提出手続
GPTはじめ大規模言語モデルの登場により、MLシステム開発にもパラダイムシフトが起こっています。流れが速すぎてやや混沌としてきたので、プロンプトエンジニアリングの考え方をはじめとした新しい概念について有用な引用と共に交通整理をしてみました。 今から始めたい人はまずこれを読むと、どんな点に配慮すべきかがざっくり分かるかと思います。
1. 画像キャプション生成 とは [概要] 画像キャプション生成(Image Captioning)とは,1枚の画像を入力として,その画像中で行われている出来事や人物・動物などの振る舞いなどを説明するキャプション(caption)の文章を生成する問題である.画像中の各要素をそれぞれ画像認識モデルで認識したのち,その画像特徴量や識別されたラベルをもとに,言語モデルを用いてキャプションを生成する. この記事では,画像キャプション生成の技術のうち,ディープラーニング以前の初期の研究から,2017~2018年頃までの深層学習ベースの「基本的手法」を紹介する. 1.1 問題の位置付け 1.1.1 Vision-Language 問題の1つとして 画像キャプション生成は,「画像・動画」と「その説明文章」の対応関係を学習するVision and Language (Vision-Language) の問
play.google.com ※ 本記事を大幅に加筆した「Riemann幾何学ユーザーのための情報幾何学入門」を上記の書籍に掲載しています。 何の話かというと Riemann幾何学の知識を前提に、「双対平坦な多様体」を自然な形で導入する説明方法ってないかなーと考えていて、思いついた説明のストーリーです。 Riemann幾何学の復習 Riemann幾何学では、接続 ∇ に対して、計量的(平行移動が内積を保存する)、かつ、捩率 T がゼロという次の条件が課せられます。 ・ ―― (1) ・ ―― (2) これらの条件を満たす接続は計量から一意に決まり、これが、Riemann接続と呼ばれるものでした。 これらの条件は、成分表示で次のようにも書けます。 ・ ―― (3) ・ ―― (4) ここでさらに、曲率 R がゼロという条件を付け足すと、よく知られているように、この空間は平坦なユークリッド空
自動運転技術入門: AI×ロボティクスによる自動車の進化 作者:香月理絵,荒井幸代,大前 学,大日方 五郎,川崎敦史,橘川雄樹,小林祐一,菅沼直樹,田崎 豪,谷沢昭行,新田修平,野呂瀬 琴,馬場厚志,藤吉弘亘,目黒淳一,森出茂樹,谷口敦司,山下倫央オーム社Amazon 目次 目次 目的 RSSとは RSSで定められているルール ルール1: Do not hit someone from behind ルール2: Do not cut in recklessly ルール3: Right-of-way is given, not taken ルール4: Be cautious in areas with limited visibility ルール5: If you can avoid a crash without causing another one, you must 目的 自動運転シ
神戸大学大学院人文学研究科の新川拓哉講師は、埼玉医科大学の林禅之助教、カールトン大学のジョシュア・シェパード准教授、京都大学高等研究院 ヒト生物学高等研究拠点(WPI-ASHBi)の澤井努特定助教と共同で、ヒト脳オルガノイドがもちうる意識の問題を検討し、ヒト脳オルガノイド研究を進めるうえでの倫理的枠組みを提案しました。 本研究成果は、今後、人工知能やロボット研究など隣接分野の倫理・政策議論への展開が期待されます。 本研究成果は、2月4日に、脳神経倫理学の国際学術誌「Neuroethics」に掲載されました。 ポイントヒト脳オルガノイドとは、多能性幹細胞(ES細胞やiPS細胞)から分化誘導された、生体と類似の構造を持つ三次元脳組織のことである。ヒト脳オルガノイドが意識をもつかどうかの判断は、多くの意識理論のうちどれを採用するかによって異なるが、意識は主観的現象であるため、どの意識理論が正しい
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く