8年間のフリーター生活を終え、28歳にして義肢職人見習いとして新たなスタート切った臼井さん。未経験でも一生懸命やればなんとかなるとの思いを胸に人一倍の努力を重ねた結果、めきめきと腕を上げ、5年後には国家資格の「義肢装具士」を取得した──。今回は臼井さんが修行時代をどう過ごし、職人としてどう成長していったのかに迫った。 義肢製作の仕事は見たことも聞いたこともやったこともなかったんですが、もともと何かを作ることは嫌いじゃなかった。中学生のときは美術部に入ってましたからね。 見習いとして入社すると、義足の方に配属されました。入ってから3年間は最後の仕上げばかりでしたね。僕が入ったころはまだ昔の徒弟制度っぽい部分が残っていて、職人の世界って感じでした。最初は患者さんになかなか会えなかったり、自分で型を取ったりはできませんでした。 多分僕は義肢の勉強をしないでいきなり入社したから、というのも当然