読書術についての古典的な名著であり、一度は目を通しておくべき本かと思う。本を読むことに新しいも古いもないので、内容的にはいま読んでも古い所は全くないし、逆に古くなっているところに、私たちが失いかけている大切なものを読み取ることができるかもしれない。 四段階の読書 本書においてアドラーは四段階の読書を提唱している。 一つ目は「基本読書」。すなわち、本当の基礎となる単語や文法に基づいて読むということ。これは基本中の基本。 二つ目は「点検読書」。書名、目次、序文、後書き、後付けなどから、本の内容、対象、程度などを点検するというもの。この段階を確実にすることで無駄な本を読む時間を減らせる。 三つめは「分析読書」。いわゆる精読であり、二つの方向から書物の内容を自分で再構築するというものだ。 片方はトップダウンな理解だ。つまり、著者の主張から、その本のアウトライン、著者の問題などを理解してゆくというも