ひたすら澁澤龍彦の趣味に基づいた作品を並べた文字通りの幻想美術館。 よくぞここまで揃えたと感心させられるラインナップに、ただただ感服するばかりである。本物どころか印刷物でさえ見ることが難しい作品が揃っているので、これはもう必見というしかない。 逆に、あまりに目玉が多すぎて、焦点を定めて見ることができないくらいだ。 それでは個人的には気になった作品をいくつか。 マン・レイ「サド侯爵の架空の肖像」 絵と立体がある。どちらも顔が城塞と化していて、サド本人というよりサドのスタンドという感じ。 細江英公の写真 写真にみなぎる緊張感もさることながら、本人の立ち姿、威圧感が凄すぎる。 それにしても舞台に立っていない土方巽は、どうしてこんなに恥ずかしそうにしてるんだろう。 ゴーティエ・ダゴティ「人体解剖図」 CTスキャンのような脳の輪切り。美術と解剖学が融合していた時代の美しき一枚。 アルチンボルド「ウェ