ミニカーは実車の縮小ではない - 山中俊治の「デザインの骨格」 乗用車のミニカーは、実物の単なる縮尺ではないのをご存知でしょうか。クルマの設計製造に使われるボディの三次元データを使って、例えば1/43とかに縮小して精密加工でモデルを作れば、完全なミニカーができるはずです。ところがそのようにして作られたモデルを実際に見てみると、ちっともらしく見えないのです。 実際にカーデザインの現場で、正確なスケールモデルを何度か見たことがありますが、その印象は一言で言うと、ぺらぺら。実物を見ると抑揚の強いスポーツカーのボディも、縮小するにつれて、フラットな四角いクルマに見えてきます。 人間の認識というのは面白いなぁ、と思う。 これと似た話として、現実の物理現象速度を再現してしまうと、違和感のあるアニメになってしまう というがある。 木に積もった雪がドスンと落ちる様子や、温泉の湯気が立ち上るようすを実際に撮