『UXデザインの法則』という本を訳したとき、自分はアメリカ人が書いた本を訳すことでアメリカ流のものの考えを知らず知らずのうちに広めているのだな、と感じました。細菌学者が未開の地に飛び込み、そこから新薬を開発する様に、日本の人間が日本に自生している体験をとらまえ、それを応用したグローバルプロダクトを作り出すには、どうしたらよいのか、そのためにUX地政学という考え方を思考実験してみました。 地政学では、政府が関税をあげたり規制をかけたり、あるいは補助金をつけることで、地理的あるいは政治的な障壁を作り出し、それを突破しようとします。UX地政学では、わたしたちが自然だと思う馴染みの感覚(「カスタム」)に対して、政府が関税をあげたり規制をかけたりしなくても、UIへの違和感や、優れたUIの連続によってつくられるいままでにないユーザー体験の発明によって、地理的あるいは政治的な障壁を乗り越えたり、地理的あ
