「ニコニコ動画」「Twitter」はなぜ盛り上がり、Second Lifeは閑散としているのか――日本技芸リサーチャーの濱野智史さんが11月22日、ブロードバンド推進協議会(BBA)が主催したシンポジウム「仮想世界におけるコミュニティサービスの現在」で、3サービスを分析。勝敗を分けたのは「時間軸」だと説明した。 「Second Lifeは、描画が3Dになり、見た目上は進化しているように見える。だが、その進化は本当に、ユーザーが求めているものだろうか。見た目にだまされず、見えないもの――時間に着目すれば、なぜSecond Lifeがバッシングされ、ニコニコ動画が受け入れられたか分かってくるだろう」 コミュニケーションの「同期」と「非同期」 3サービスは、ユーザーがネット上でコミュニケーションするという点で共通する。だがコミュニケーションの「同期性」で見るとそれぞれ異なっており、Second
第15回 セカンドライフの「わかりやすさ」について考える(3) 2007年9月 6日 ITメディア コメント: トラックバック (0) ――セカンドライフ考察編(11) 【最終回】 (15-1)から続く ■15-2. セカンドライフという「失われた隠喩」の再来――「サイバースペース」はなぜそう呼ばれなくなったのか さて、いささか抽象的な話が長くなってしまいましたが、ここで少し歴史的経緯を振り返っておけば、インターネットが一般社会に浸透していくに従って、この10年の間に、いわゆる「サイバースペース」的な《空間性》のイメージはむしろ衰退し、ブログやSNSの隆盛に見られるように、《関係性》のイメージが前景化してきたということができるでしょう。東氏がおよそ10年前に「サイバースペースはなぜそう呼ばれるか」と書いてから以降、実際のところインターネットが「サイバースペース」と呼ばれることは少なくなった
第15回 セカンドライフの「わかりやすさ」について考える(2) 2007年9月 6日 ITメディア コメント: トラックバック (0) ――セカンドライフ考察編(10) (濱野智史の「情報環境研究ノート」」第14回より続く) ■15-1. 「サイバースペース」という空間的隠喩――「サイバースペース」はなぜそう呼ばれるか 前回からの続きです。前回筆者は、とりわけブログやSNSといったネットワーク的世界に縁遠い人々にとって、セカンドライフという「仮想空間型」のサービスは「わかりやすい」ものに見えるのではないか、と指摘しました。ブログやSNSは、「リンク」が複雑に絡み合ったリゾーム状の「わかりにくい」世界であるのに対し、セカンドライフは、現実の世界を模倣した「わかりやすい」世界だというわけです。 以上の仮説は、先ごろ上梓された東浩紀氏の『情報環境論集』(講談社BOX、2007年)に収められている
第14回 セカンドライフの「わかりやすさ」について考える(1) 2007年8月30日 ITメディア コメント: トラックバック (0) ――セカンドライフ考察編(9) (濱野智史の「情報環境研究ノート」」第13回より続く) ■14-1. 大企業のセカンドライフ進出の舞台裏 一連のセカンドライフ考察の中で何度か触れましたが、いま少なくない企業が、セカンドライフにこぞって進出しているのは皆さんもご存知のとおりです。そして最近では、単にこうした企業のセカンドライフ進出を疑問視するだけではなく、「なぜセカンドライフにこれだけ企業が率先して魅力を感じてしまうのか?」という舞台裏に関する記事もちらほら見られるようになりました。いわゆる「ぶっちゃけ話」のレベルでは、「セカンドライフはITに詳しくない企業の上層部にも分かりやすい話だから稟議が通りやすい」(爆発するソーシャルメディア - 「セカンドライフ、
第12回 セカンドライフ考察編(8) :「現実世界を模倣する」セカンドライフ/「現在を複製する」ニコニコ動画 2007年8月16日 ITメディア コメント: トラックバック (0) (12-1)から続く ■12-2. 「現実世界を模倣する」セカンドライフ/「現在を複製する」ニコニコ動画 以上の考察からも明らかなように、筆者は「現実世界を模倣する」セカンドライフよりも、「現在を複製する」ニコニコ動画のほうが、よりメディアに与えるインパクトが大きいと考えています。そしてこの考察は、次のようなインプリケーションをもたらします。 現在セカンドライフ(のような仮想世界サービス)については、様々なバッシングはあるにせよ、「長期的に見れば可能性がある」という一歩引いた見方もあるようです。例えばソーシャルメディアの動向を追い続けるジャーナリストの湯川鶴章氏は、昨今のセカンドライフ肯定派・否定派双方の見解を
第11回 セカンドライフ考察編(6) :ニコニコ動画が「活況を呈している」のはなぜか? 2007年8月 9日 ITメディア コメント: トラックバック (1) (11-2)から続く ■11-3. ニコニコ動画が「活況を呈している」のはなぜか? ニコニコ動画とセカンドライフは、昨今では次のように対比されることもあるようです。すなわち、セカンドライフがマスメディアで空騒ぎされるのとは対照的に、ニコニコ動画はマスメディアでは無視されているに等しいにも関わらず、急速にユーザー数を集めている、と(例えば大西宏のマーケティング・エッセンス - 「すれ違う「セカンドライフ」評価だけど」)。大西氏は、この対比を裏付けるデータとして、「総利用時間」(滞在時間)を指標にしたネットレイティング社のランキング結果を引き合いに出しています(ネットレイティングス、「総利用時間」による日本のウェブドメインランキングを算
第10回 セカンドライフが「閑散としている」のはなぜか? 1 2007年8月 2日 ITメディア コメント: トラックバック (2) ――「真性同期型アーキテクチャ」としてのセカンドライフ ■10-1.過熱する「セカンドライフ」を巡る報道と、閑散とする「セカンドライフ」の実態 今回は「セカンドライフ(Second Life)」について分析してみたいと思います。すでにご存知の方も多いと思いますが、セカンドライフはこの7月にようやく日本語版が公開され、それに伴い日本企業のメタバース進出も相次いでおり、メディア上では、「日本でもセカンドライフはこれから本格的に盛り上がる」というムードが醸成されているようです。しかし、かたやネット上の言説を見遣れば、セカンドライフは「もうすでに死んでいる」とでもいわんばかりの論調が大半となっています。その論拠は様々ですが、その最も強い根拠として挙がっているのは、セ
IBMの最高経営責任者(CEO)であるSam Palmisano氏が、新事業育成に1億ドルの出資を決定する。Palmisano氏はこの発表を、現実世界と仮想世界の両方で行う予定だ。 Palmisano氏は現地時間11月14日、中国の北京で「タウンホール」ミーティングを開き、今後2年間にわたって実施されるこの投資についてIBM従業員に話す予定だ。同時に、仮想世界の「Second Life」でも同じミーティングで発表されることになっている。 今回の事業投資は、IBMの「InnovationJam」と呼ばれる、オンラインでのブレーンストーミングセッションから生まれたものだ。IBMによれば、2回実施された72時間ずつのセッションに、15万人以上が参加したという。 その目的は、大規模なコラボレーションを通して新しい事業アイデアを生み出すことにある。 IBMは、オンラインによる社内のブレーンストーミン
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