日本の子どもの腸内細菌叢は、アジアの各国に比べて豊富なビフィズス菌を有する一方、大腸菌などの悪玉菌が少ないことを、九州大学大学院農学研究院の中山二郎(なかやま じろう)准教授、ヤクルト中央研究所の渡辺幸一(わたなべ こういち)博士らが見いだした。シンガポール国立大学のユアンクン・リー准教授が率いるアジア腸内細菌叢解析プロジェクトの一環として、アジアの5つの国・地域(中国、日本、台湾、タイ、インドネシア)の子どもを対象に、ヒトの健康に関わるとされる腸内細菌叢を調査した結果で、腸内細菌で見る限り、日本の子どもは健康といえる。2月23日付の英オンライン科学誌サイエンティフィックリポーツに発表した。 ヒトの腸内には、数百種、百兆個に及ぶ細菌が生息しており、それらが生態系コミュニティー(細菌叢)を形成している。腸内細菌叢は人により異なる。腸内細菌叢の個人差を生む要因は、日々の食事や薬、健康状態、生活