これまで見てきたように、日本企業はこれまでにない新しい環境の中、コンプライアンスや内部統制の体制をきちんと構築し、浸透させていかなくてはなりません。そこには、大きく分けて2つのアプローチがあります。 ハード志向な「管理部長のコンプライアンス」 その1つは、巷間いわれるコンプライアンス体制で、業務に関わるルールを明確にし、そのルールを守ることができるようなプロセスを埋め込んでいくことです。このハード志向な方法を「管理部長のコンプライアンス」と呼んでいます。 一方、組織そのものの存在意義や価値判断基軸を明確にし、従業員全員で共有していくソフトな分野のコンプライアンスがあります。私は、先ほどの管理部長のコンプライアンスの重要性を強く認識した上で、それよりも基本的なものと位置づけ、こちらを「社長のコンプライアンス」と呼んでいます。 法令に基づいた社内ルールを作成するとともに、プレッシャーが少々強く