« (1)戦前・戦後の漢字教育の差を考える | Main | 朝日新聞,文字を変える(1) » 2006年09月10日 …【義務教育における漢字学習の問題】 (2)教科書に用いられている明朝体の実態 義務教育における漢字教育の中で,書体に関する理解を十分にさせる仕組みができているとはいえない可能性を指摘したが,それには多少の理由がある。私は「無菌室的」と表現しているのであるが,小学校で学習した教科書体による書体のイメージを中学校でもずっと引きずり,「書く書体」と「読む書体」の違いを満足に教える努力を自ら放棄しているような状況を感じているからである。 次の図を見ていただきたい。 これは中学校の「国語」教科書のひとつ(平成11年度版「中学国語3」光村図書)から一部を抜き出したものであり,明朝体で組まれている。ここで用いられている明朝体の字形が,一部の文字において標準的な明朝体字形とは異なっ