文:篠原諄也 写真:斉藤順子 荒木優太(あらき・ゆうた)在野研究者(専門は有島武郎) 1987年、東京生まれ。明治大学文学部文学科日本文学専攻博士前期課程修了。2015年、第59回群像新人評論優秀賞を受賞。著書に『これからのエリック・ホッファーのために――在野研究者の生と心得』(東京書籍)、『貧しい出版者』(フィルムアート社)、『仮説的偶然文学論』(月曜社)、『無責任の新体系』(晶文社)など。 学校の外に面白いものがある! ――荒木さんが在野研究に関心を持ったきっかけを教えてください。 大学院の修士課程に行ったんですが、博士後期課程には落ちたんですね。その理由のひとつには、大学の指導教員が「教育免許を取らないと進学させてくれない」という方針をもつ方で、私は「教師になりたい」という意欲が全くなかったことがありました。 それで「どうしたもんかな」と思っていた時に、自分は教育に関してはやる気はな