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ブックマーク / rootport.hateblo.jp (11)

  • 世界を変えるのに必要なもの - デマこい!

    歴史をふり返るとき、私たちはイデオロギーや思想、主義・主張が世界を変えたと考えがちだ。ところが、心理学の研究が進むにつれて、私たちの考え方や行動には生まれながらの一定のパターンがあると分かってきた。 こうなると、疑問が湧いてくる。 思想や「○○主義」には、私たちの生まれながらの行動を変えるほどの力があるのだろうか。むしろ、矢印の向きは逆なのではないか。私たちが環境的な要因によって行動を変えたときに、もっとも相応しいイデオロギーが選ばれるだけなのではないか。 ■産業革命をもたらしたのは思想ではない たとえば「なぜ産業革命はイギリスで始まったのか?」という疑問について考えてみよう。 20世紀初頭の社会学者マックス・ヴェーバーは、イギリスがプロテスタントの国だったからだと考えた。プロテスタントは貯蓄と勤勉を重んじる。貯蓄は、豊かな資の源泉になる。勤勉さは優秀な労働力の供給源となる。これらが産業

    世界を変えるのに必要なもの - デマこい!
  • ごちうさにシャロは必要か?/ストーリーテリングとキャラクターシステム - デマこい!

    ハリウッドの脚家たちが発展させた「三幕構成」は、実用に耐えうるほぼ唯一の物語創作論だ。しかし、シド・フィールドの教科書を読了して最初に感じることは「So what?(だから何?)」だろう。三幕構成はエピソードやシーンの並べ方を決めるためのものであり、個々のシーンの作り方は教えてくれない。 さらに問題は、観客にとってはシーンの配列よりも、個々のシーンのほうが重要だと言うことだ。たとえば「シータと2人きりで話がしたい」とパズーに懇願されたとき、ムスカは何と答えたか。ご存じのとおり、「3分間待ってやる」だ。あまりにも印象深いシーンだが、これが映画開始から何分後のエピソードか覚えている人は少ないだろう。ストップウォッチを握り締めながら映画を見るのは、一部の脚オタクだけだ。普通の消費者はシーンの順番など覚えていない。消費者の印象に残るのは個々のシーンそのものだ。 1つひとつのシーンを上手く作れ

    ごちうさにシャロは必要か?/ストーリーテリングとキャラクターシステム - デマこい!
    KaeruHeika
    KaeruHeika 2015/12/23
    誰もがなんとなく感じている法則感だけど、読ませる文章で言語化するのがお上手。
  • 最低賃金を2倍にすると何が起こるか - デマこい!

    ※この記事は移転先ブログ「デマこい!」に転載済みです。 さあ、新聞記者にはできないくらい突飛なことを書こう。学者にはできないぐらいバカげたことを考えよう。なぜなら私はブロガーだからだ。 想像してほしい。最低賃金を時給1,700円に引き上げて、アルバイトにも社会保険や有給休暇を徹底し、サービス残業は完全禁止、ちょっとした違反でも厳しく取り締まる……。そんな世の中になったら、いったい何が起こるだろう。最近では「雇用流動化」を旗印に、労働者の賃金は引き下げられる一方だ。では、それに逆行してみたら、どんな世の中になるだろう。 誰の賃金が下がったのか? または国際競争ガーの誤解 http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-0c56.html こちらの記事では、経済産業研究所の「サービス産業における賃金低下の要因」というディスカッション

    最低賃金を2倍にすると何が起こるか - デマこい!
  • 【同期なんて気にするな】新社会人が読むべきでない本ベスト10!! - デマこい!

    私は「社会人」という言葉が嫌いだ。 というのも、この言葉が指し示しているのは日人男性の正社員だけであって、学生やフリーター、専業主婦……この世界に生きる多様な人々を「社会」から排除しているからだ。言うまでもなく、学生も、フリーターも、家事手伝いのニートも、この社会を構成する一員である。英語には「社会人」を意味する単語がないらしい。他の言語ではどうだろう。日の社会のいびつさに基づいた、日語独特の表現ではなかろうか。 少なくとも私は、「社会人」という言葉を得意げに振り回す人を信用していない。むしろ、ちょっと軽蔑している。 「社会人としての心がまえを持て!」 「社会人らしくふるまえ!」 ……みたいな威勢のいいセリフを耳にすると、失笑を禁じ得ない。あまりにも幼稚なセリフだからだ。 そして、それは必要な幼稚さでもある。 この社会にうまく適応するためには、他人の言葉を鵜呑みにする幼稚さが必須だ。

    【同期なんて気にするな】新社会人が読むべきでない本ベスト10!! - デマこい!
    KaeruHeika
    KaeruHeika 2013/04/07
    日本の労働観は、おしなべてかくも権威主義的なのだと揶揄し、純朴な新人をかどわかすならこうなるよね。ひねった推薦の仕方。実際自分はどう振る舞うのが幸せかは、また別としても。
  • 「そんなの知らないよ」と彼女は - デマこい!

    「どうやって生きていけばいいだろう」と彼は言った。「学歴もなければ大した職歴もない、ぼくらのような人間はどうやって生き残ればいいだろう」 京都、三条河原町。最近できたばかりのつけ麺屋に、友人とたむろしていた。 麺大盛り根菜チャーハンセットを待ちながら彼は続けた。 「いまの時代、あらゆる仕事が機械に置き換えられていっている。一昔前なら、知的な労働は人間がやるしかなかった。どんなに単純な足し算、引き算だろうと、人間の手で計算するほうが早かった。だから、ぼくたちのような人間にも仕事があった……」 と、料理が運ばれてきて、彼はちょっとだけ口を閉じる。目をむくような量の炭水化物の塊がテーブルを埋めていく。 「……だけど、いまは違う」つぶやきながら、彼はわりばしを割る。「当たり前のことが当たり前にできるだけの人間なら、機械を使ったほうが安上がりだ。ぼくらのような人間の居場所は、どんどん無くなっている。

    「そんなの知らないよ」と彼女は - デマこい!
  • なぜ日本は「すごい」のか/ナショナリズムの起源と民族意識の誕生 - デマこい!

    人であること以外に誇れるモノを持たない人は、極端なナショナリズムに染まりやすい。しかし、村田諒太が日人だからといって、同じ日人のあなたが金メダルを取ったわけではない。内村航平が日人だからといって、あなたが体操の達人というわけではない。スポーツを観戦するときは選手個人の技能や努力を応援すべきであって、民族意識を慰めるための道具にしてはならない。自尊心の低い人ほど「日人であること」に固執する。なぜなら「日人はすばらしい」という価値観に染まっていれば、なんの努力もせずに「自分はすばらしい」と思えるからだ。 ただし、事実として日はすごい。 およそ300年の鎖国により文化的に遅れていたはずなのに、明治維新以降とてつもない速さで近代化を果たし、30年経たずに中国(清)を、40年経たずにロシア戦争で倒している。大政奉還から70年少々で、世界最強の戦艦と戦闘機を開発し、アメリカに対してガ

    なぜ日本は「すごい」のか/ナショナリズムの起源と民族意識の誕生 - デマこい!
    KaeruHeika
    KaeruHeika 2012/08/25
    近代以前の日本列島を思うと、尚更「国家は共同幻想だ」という思いが強まる。国(と思っているもの)の内にも外にも、ただ人が在るのみ。言葉と概念に規定された幻想の枠の中で、驕り、憎み、人間は虚しい。
  • 行きつけのスタバのマネージャーがすごかったという話 - デマこい!

    「正しい面接」というと就活生とか受験生とか、面接を受ける側の話になりがちだ。入社試験のような「振り落す」ための面接ならば、面接官は偉そうにふんぞり返っているだけでいい(優秀な学生は内定辞退するだろうが)。しかし学校の三者面談や職場の定期面談――世の中の「面接」のほとんどは「相手を理解する」ために行われる。したがって「運営側」つまり面接をする側のほうが、「正しい面接」の方法を熟知していなければならない。 では、面接官が理解しておくべき「正しい面接のやり方」とはなんだろう。 行きつけのスタバのマネージャーが凄まじかったので、書き残しておく。 私がスタバを利用する最大の理由は「電源が使い放題だから」だ。が、スタッフの教育が行き届いているのには驚かされる。差別化の難しいコーヒー飲料という商材で、しかも価格は高め。ひねくれた人からは「MacBook Airを見せびらかしたいやつらが行く場所だろ?」な

    行きつけのスタバのマネージャーがすごかったという話 - デマこい!
    KaeruHeika
    KaeruHeika 2012/08/08
    コールド・リーディング的な話術によるマインドコントロール。
  • かしこい人のニュース読解法/議論の苦手な人は何ができていないのか - デマこいてんじゃねえ!

    ヒトは「頭の使い方」を覚えると賢くなる生き物だ。 かけ算九九しかり、元素記号の語呂合わせしかり、丸暗記してしまうことで思考をスピードアップできる。理系大学生のサイフは平均的に文系大学生のサイフよりも軽い。なぜなら彼らは数字に強く、「おつりのコインを最小にする計算方法」を身につけているからだ。それに加えて実験とレポートに追われてバイトができないという涙ぐましい事情がある。 私は学生時代に、ちょっとだけ英語ディベートをやっていた。その時に先輩に教えてもらった「ニュースの読み方」が今でも役に立っている。ニュースを読むにはトレーニングが必要で、読み慣れないうちは、「なにが問題なのか分からない」のが最大の問題となる。逆に「読み方のテンプレート」を覚えてしまえば、そのニュースの論点を即座に見抜けるようになる。かしこい人はこうやってニュースを読むのか! と当時は感心した。 今回のエントリーでは、その一部

    かしこい人のニュース読解法/議論の苦手な人は何ができていないのか - デマこいてんじゃねえ!
  • なぜ黒人は足が速いのか/あるいは、なぜ男はレイプをするのか - デマこい!

    子は親に似る。足の速い親からは、たぶん足の速い子が生まれるだろう。美人の娘は、おおむね美人だ。高学歴の親を持つ子供は、それなりの学歴を手にするはずた。教育への投資額や、読書・学習の習慣など、家庭環境が多大な影響を与えている。しかし、記憶力や数理計算能力などの生まれつきの形質を――遺伝的な影響を否定する客観的な理由は見当たらない。 生まれつきの性質で人を差別してはいけない:私たちはそういう倫理観を持っている。 しかし倫理観で、客観的な事実をねじ曲げてはいけない。遺伝の法則を見つけた牧師メンデルは、教会から痛烈な批難を受けた。生き物の形質は神の与えたもうたモノで、遺伝子などあってはならないとされたのだ。倫理観が、科学をねじ曲げようとした。 私たちはヒトである以前に哺乳類であり、有性生殖をする真核細胞生物だ。 私たちは生まれつき多様な個性を持っているし、遺伝子の法則に支配されている。自然のもので

    なぜ黒人は足が速いのか/あるいは、なぜ男はレイプをするのか - デマこい!
    KaeruHeika
    KaeruHeika 2012/08/08
    発端の記事よりだいぶ読みやすく、知的。あの記事は科学的な皮膚感覚の乏しさから、「影響がある」とか「検出された」という事だけで騒ぐタイプ、かつ同程度の人を煽ってあれもこれもとアフィ紹介するタイプだしね…
  • 夏休みにおすすめ!知識ゼロから『利己的な遺伝子』を読むための読書ラリー - デマこい!

    読書はダイビングに似ている。活字の海に飛び込んで、深く、深く、潜っていく。水底を流れるモノに触れて、ゆっくりと浮上する。そしてページから顔を上げたとき、目にする世界がまったく別の姿になっている。いい読書とは、そういうものだ。モノの見方や考え方を変え、あなたを一回り大きな人間にしてくれる。 利己的な遺伝子 <増補新装版> 作者: リチャード・ドーキンス,日高敏隆,岸由二,羽田節子,垂水雄二出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2006/05/01メディア: 単行購入: 27人 クリック: 430回この商品を含むブログ (189件) を見る リチャード・ドーキンス『利己的な遺伝子』は、そんな一冊だ。 堅物な先生方からは批判が多く(彼らは比喩や修辞法が大嫌いだ!)、それ以上に誤読による批判が絶えない。初版が1976年、古いでもある。しかし、いま読んでも色あせないどころか、今後100年を生

    夏休みにおすすめ!知識ゼロから『利己的な遺伝子』を読むための読書ラリー - デマこい!
  • それでも経済的合理性は大切ですか? - デマこい!

    友人がFacebookにこんなことを書いていた。 駅で切符を買って、おつりを取り忘れた。すると後ろに並んでいた金髪のお兄ちゃんが「おつり忘れていますよ」と渡してくれた。日っていいなーと思う反面、甘いな……と思ってしまった。 このできごとをどう考えればいいだろう。日は、何に対してどう「甘い」のだろう。 経済的合理性(笑)の観点から見ると、たしかに金髪のお兄ちゃんの行動は甘い。ネコババしたって、(twitterで報告でもしないかぎり)誰もとがめない。せいぜい私の友人がおやつを一回抜く程度の被害しかでない。自分のカネにしてしまったほうがはるかに合理的であるはずだ。反面、誰もが利益追求をする世の中になれば、こういう“日的”な気遣いや優しさはなくなるだろう。 利己的な合理性を取るか、 それとも非合理な利他的行為を取るか。 こういう二者択一を迫る人は多い。 たとえば人気ブロガー内田樹先生は、子供

    それでも経済的合理性は大切ですか? - デマこい!
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