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2012年8月25日のブックマーク (8件)

  • 吉本隆明が亡くなった: 極東ブログ

    隆明が亡くなった。未明に地震があり、あの震源はどこだったんだろうと思ってテレビの音声を聞いているときに、訃報を聞いた。 まあ、お年だからなと思った。糖尿病を抱えヘビースモーカーで87歳というのは大往生の部類ではないか。彼の死についてはかねて理解している以上のことはないなと思って、ぼうっとしていたら、自然に涙が出て来た。ツイッターにも吉の死のことは書くまいと思ったが、堰を切ったように連投してしまった。 僕は吉さんに個人的に会うことはなかった。知人が吉さんのの編集などをしていたので会うこともできないものでなかったけど、まあいいかと思っていた。自分が若い頃、自暴自棄になって自分の学んだことをすべて放り出したいと思ってプログラマーになって、ヴェイユのひそみもあって工場でファームウエアのアセンブラプログラムとかしているとき、吉さんのの、宮沢賢治に触れたところで、知識人は知性を罪責と思

  • 吉本隆明:共同幻想論

    夜郎自大の散文詩 吉隆明『共同幻想論』角川文庫 著者は、60年安保のころから学生運動の教祖的存在だったが、今や「ばななの父」といったほうが通りがよいだろう。一部の人々にはいまだに「戦後最大の思想家」と崇拝されているが、コムデ・ギャルソンを着て資主義を礼賛している最近の著者を見ると、人間あまり長生きするのも考えものだなと思ってしまう。 著者はもともと詩人であり、哲学を系統的に学んだわけではないが、それが魅力ともなっている。文章はきわめて洗練されており、「難解」だといわれるが大したことはない。書いた人もわかっていないことをレトリックで飾っているだけだから、一種の散文詩だと思えばよいのである。書も「マルクスの経済決定論を否定する独創的な国家論」として評価されたが、国家が「共同幻想」だというのは、まさにマルクスが『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』で論じたテーマである。まあマルク

  • 国家という世俗的な宗教 - 『近代 想像された社会の系譜』

    近代 想像された社会の系譜 著者:チャールズ・テイラー 販売元:岩波書店 ★★★★☆ このごろ屋に「サンデル・コーナー」ができ、サンデル先生は震災にまでコメントしているが、率直にいって彼はオリジナルな思想家とはいえないし、日で出ているのほとんどは凡庸な説教だ。それよりも彼の師匠の書いた書を読んだほうがいい。これは大著『自我の源泉』の続編で、次の大著、“A Secular Age”の導入ともいえる。 そのポイントは、近代社会がキリスト教の世俗化によって生まれたということである。マルクスから現代の経済学に至る「唯物論」的な社会観では、人間を欲望をもつ合理的個人と考え、その経済的利害にもとづいて「上部構造」たる文化や法制度ができると考えるが、著者はこれを逆転して、西洋的な社会の根底にあるのは社会的想像(social imaginary)だとする。 これはアンダーソンの『想像の共同体』に似

    国家という世俗的な宗教 - 『近代 想像された社会の系譜』
  • 「共同幻想論」を知るためのブックガイド | 考えるための書評集

    社会は言葉でつくった幻想の世界を共同で信じ、それを実体のものと思いながら暮らしている。この考え方を「共同幻想論」というが、この言葉の編み込んだ世界を「世界そのもの」と思い込む勘違いから抜け出すのはなかなかむづかしい。相対化、客観化がむづかしいのである。 その認識を理解するためのブックガイドを13年前、97年につくった。もう一度、再録したいと思う。共同幻想論を理解するための一助になればいいと思う。 著者はイギリスの反精神医学者であるが、このは「分裂病」という診断が、いかにまわりの人たちの「悪意」によって下されるか、ということを描いた、まわりの人たちの見解や評価といったものがどんなに恐ろしいものなのか、まざまざと思い知らせてくれるである。 緊密に結びついた家族や集団は、空想的体系によって「現実」を捉えており、それがかれらの世界「そのもの」、世界の「事実」となっているのだが、そこから脱出しよ

  • なぜ日本は「すごい」のか/ナショナリズムの起源と民族意識の誕生 - デマこい!

    人であること以外に誇れるモノを持たない人は、極端なナショナリズムに染まりやすい。しかし、村田諒太が日人だからといって、同じ日人のあなたが金メダルを取ったわけではない。内村航平が日人だからといって、あなたが体操の達人というわけではない。スポーツを観戦するときは選手個人の技能や努力を応援すべきであって、民族意識を慰めるための道具にしてはならない。自尊心の低い人ほど「日人であること」に固執する。なぜなら「日人はすばらしい」という価値観に染まっていれば、なんの努力もせずに「自分はすばらしい」と思えるからだ。 ただし、事実として日はすごい。 およそ300年の鎖国により文化的に遅れていたはずなのに、明治維新以降とてつもない速さで近代化を果たし、30年経たずに中国(清)を、40年経たずにロシア戦争で倒している。大政奉還から70年少々で、世界最強の戦艦と戦闘機を開発し、アメリカに対してガ

    なぜ日本は「すごい」のか/ナショナリズムの起源と民族意識の誕生 - デマこい!
    KaeruHeika
    KaeruHeika 2012/08/25
    近代以前の日本列島を思うと、尚更「国家は共同幻想だ」という思いが強まる。国(と思っているもの)の内にも外にも、ただ人が在るのみ。言葉と概念に規定された幻想の枠の中で、驕り、憎み、人間は虚しい。
  • 共同幻想 - Wikipedia

    出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。(2014年2月) 共同幻想(きょうどうげんそう)とは、複数の人間の中で共有される幻想の事。 日の思想家である吉隆明が用いたことで有名となった言葉である。ただ吉は、自分の共同幻想とは、カール・マルクスの用語である上部構造と同じ意味であり、ただ手垢がついているから使いたくなかったと述べている。 3つの幻想領域[編集] 吉隆明は、著書『共同幻想論』(1968年)で人間関係は、3種類に分類されると提唱した。 自己幻想 個人と自我の関係。芸術などの個人的な活動がこれに当たる。他者に影響を及ぼすことはほとんどなく、無制約に自由である。 対幻想(ついげんそう) 個人と他者とのプライベートな関係。家族・友人・恋人がこれに当たる。 共同幻想 人間同士の公的な関係。国家・

  • みんなの党と大阪維新の会の違い - モジログ

    足立やすし - みんなの党と大阪維新の会とのトップ会談が膠着している理由(2012年8月23日) http://adachiyasushi.jp/?p=1281 <大阪維新の会の橋下徹代表と松井一郎幹事長がみんなの党の渡辺喜美代表と今月20日に大阪で会談し、合流を含めた連携方策について話し合ったと報じられている。双方が会談したことを認めているので既に公然の事実であり、会談の内容についても概ね正確に報じられているように思う>。 <しかし、当に力のある第三極を樹立していくためにいま大切なことは、みんなの党(と大阪維新の会)がどういう立場で会談に臨み、どういう立場の違いのために交渉が膠着している(決裂した?)のか、について理解し、関係者が「一糸乱れず結束して」(みんなの党・江田憲司幹事長)選挙に臨んでいくことである>。 <いまのこの政局は、今後五十年・百年にわたって豊かで活力ある日を構築して

  • 島をめぐる争い '82 - リアリズムと防衛を学ぶ

    両国が領有権を争っている島へ、一方の市民が不法に上陸しました。 これは、30年前のおはなし。 1982年、南太西洋の島々の領有権をめぐり、イギリスとアルゼンチンが戦争をしました。フォークランド紛争と呼ばれています。 始まりは民間市民の上陸でした。その背景はアルゼンチンの経済が不調で、政権が危うかったこと。そこで、歴史的な経緯から係争中だったフォークランド諸島がクローズアップされました。国民の目をそらすためです。 アルゼンチンの民衆は、政府がやらないなら自分たちが島を取り返すんだと盛り上がります。義勇軍のような気分で、島に不法上陸したり、運動が過熱していきました。 それが政府の選択肢をせばめ、やがて戦争になりました。 その島には名前が2つ 嵐の前の不景気 断たれた退路 あちら側、こちら側 正しさは手段に過ぎない 賽は投げられた 関連記事 その島には名前が2つ その島々には2つの名前があります

    島をめぐる争い '82 - リアリズムと防衛を学ぶ
    KaeruHeika
    KaeruHeika 2012/08/25
    戦争・紛争の歴史を学べば、正義を信じ主張することの虚無を知り、善悪の相対性について想像力がつきます、と言う話。他国を貶す癖のある人は自省のきっかけを貰える文章。