有権者間に不平等が残る現状にお墨付きを与えた判決ではないことを、国会は忘れてはならない。 選挙区の「1票の格差」が最大3・03倍だった昨夏の参院選について、最高裁が合憲と判断した。2016年の前々回選挙から、3回連続となる。 16年の選挙で「鳥取・島根」「徳島・高知」の合区が導入され、格差は4・77倍から3・08倍に縮小した。19年の選挙では埼玉の定数が増やされて3・00倍となり、わずかながら、さらに縮まった。 昨夏の選挙に向けては、与野党の参院改革協議会で議論がまとまらず、格差是正の措置は何ら取られなかった。 それでも最高裁は、合区が維持されており、最大格差も3倍程度で推移していることを評価した。 是正に向けた国会の議論の状況にも理解を示した。「方策の実効性や課題を慎重に見極め、国民の理解も得る必要があり、なお一定の時間を要すると見込まれる」と指摘した。 ただ、議員1人当たりの有権者数に