ウクライナでの戦争が長期化する中、侵攻したロシアとの連携を強化する中国の対応が注目されている。 この2年間、米欧は「権威主義から民主主義を守る戦い」と位置づけ、ロシアへの制裁やウクライナへの武器支援を続けてきた。 だが、昨秋にイスラエルとイスラム組織ハマスとの戦闘が始まると、パレスチナ自治区ガザ地区への攻撃を容認した米欧の「二重基準」に国際的な反発が広がった。 対露制裁に加わらない新興・途上国の発言力が高まり、こうした国々と共同歩調を取る中国に有利な状況が生まれている。 ウクライナ危機で中国は中立姿勢を強調する。だが、米主導の国際秩序に対抗するうえで重要なパートナーであるロシアの弱体化を食い止めるのに腐心してきたのが実態だ。 経済面の関係緊密化も顕著だ。中国税関当局によると、2023年の両国の貿易総額は前年比26・3%増の2401億ドル(約36兆円)で過去最高となった。中国による原油や天然