昨年末12月26日の安倍内閣発足からもうすぐ1カ月。首相が交代するとメディアへの対応や広報の仕方も変わるため、取材者の一人として、安倍政権のメディア戦略がどう展開されるかに関心を持っていた。案の定というべきか、今回大きな変化があった。象徴的だったのは、首相官邸に詰める記者が所属する「内閣記者会」の長年の慣例を破って、新聞各紙の単独インタビューに応じたことだ。 長年の経験をふまえた巧みなメディア戦略 総理大臣の新聞やテレビの単独インタビューは内閣記者会の取り決めで事実上、不可能だった。しかし、首相側が承諾すれば、記者会に所属しない外国の有力新聞や、国内外の雑誌などがインタビューできてしまうという矛盾が以前から指摘されていた。首相はこうした記者クラブの「自縄自縛」の状態を各社ごとに単独インタビューを受けることで突破した。 実際、これまで読売、東京(中日)、日本経済、産経の各紙がインタビューを行
![安倍首相のメディア戦略 記者クラブ破りと「イチ・ロク・サンケイ」](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/e11e4dca1d18970d90960a7515c4df6cee046e44/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwedge.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F1%2F8%2F1024%2Fimg_1865f515d1deeb4c085844684118e18811704.jpg)