ダンス・ミュージックで使われるレフトフィールドという言葉はとてもざっくりとしている。ハウス、テクノ、ヒップホップ、ドラム&ベース、ダブステップなど、何か特定のジャンルを指しているわけではないけれど、そのいずれにもレフトフィールドと呼べる領域は存在していて、レコード店でのポップなどにこの言葉が添えられる作品には、おしなべて共通した雰囲気が漂っている。 それを「自由で実験的」と言ってしまえばそれまでだが、最も重要なのは作品のどこかにダンスフロアとの接点が必ず残されている点だ。なぜなら「レフト」が存在するためには「センター」という前提が必要で、ダンス・ミュージックの「センター」に位置するダンスフロアという起点があるからこそ、レフトフィールドとしての意義が明確になるからだ。 起点から遠く離れるほど異質になっていくが、それでもやはりフロアで機能し得るこの手のトラックはDJにとって非常にプレイのしがい