日暮しというグループをご存じだろうか? 武田清一、榊原尚美、中村幸雄から成るトリオで、73年にデビュー。透き通るようなヴォーカルとフォーキー・サウンド、美しいハーモニーとメロディー・ラインで人気を博した(榊原尚美はのちに杉村尚美としてソロ・デビュー。“サンセット・メモリー”という大ヒットを飛ばしている)。 彼らには5枚のオリジナル・アルバムがある。日本コロムビアからリリースされた最初の3枚はすでにCD化されていたものの、4枚目の『ありふれた出来事』(77年)と5枚目の『記憶の果実』(79年)は後回しになっており、〈どうしてなんだ?〉という声は少なくなかった。フォーク畑で語られる日暮しだが、この2枚は近年ジャパニーズ・シティー・ポップの名盤という評価が確定しており、ハイグレードな和モノを追い求める若いリスナーたちの人気盤なのである。そんな人気作2枚がこのたびめでたくリイシューされることとなっ