【モスクワ=緒方賢一】ロシアのプーチン大統領は18日、クレムリンで上下両院議員を前に演説し、「クリミアは強く揺るぎないロシアの主権下になければならない」と述べ、ウクライナ南部クリミア自治共和国とセバストポリ特別市を編入すると発表した。 大統領はこの直後に自治共和国、特別市の代表とロシア編入に関する条約に署名した。ウクライナの領土分割に踏み切ったロシアと米欧との厳しい対立は決定的となり、長期化が避けられなくなった。 ロシアは、自治共和国と特別市を別々の行政体としてロシアに編入した。条約は憲法裁判所の審査と議会の批准を経て発効する。 プーチン氏は演説で、クリミアを「ロシア固有の領土」と呼び、ロシアとクリミアの歴史的な結び付きを強調。16日の住民投票で示された「住民の意思を尊重しなければならない」と、クリミアを編入することの正当性を主張した。