日本国憲法は3日、施行から70年を迎えた。改正に前向きな勢力が衆参両院の3分の2以上を占めるなか、首相が改憲に踏み込んだメッセージを発表。改憲案への賛否を問う国民投票も現実味を帯びる。各地で先がけて行われてきた住民投票は、意思決定の手法として定着する一方、課題も浮かぶ。「民意」とは何なのか、改めて問われている。 漆器や朝市で知られる石川県輪島市。産業廃棄物処分場の建設計画をめぐって2月、住民投票が行われた。北陸3県などから計345万立方メートルの廃棄物を受け入れる計画に、住民の賛否は二分していた。 だが、開票作業は行われなかった。投票率は42・02%。50%以下だと「不成立」になる定めがあった。 「投票に行かないことも一つの選択肢」。昨年12月の市議会で、梶文秋市長がそう答弁。市議会の自民系最大会派も「投票に行かないことで、『賛成の民意』を示して」と書いたチラシで棄権を呼びかけていた。 建