ジャック=ルイ・ダヴィッドの1809年の絵画『サッポーとパオーン』。エルミタージュ美術館所蔵。 パオーン(古希: Φάων, Phaōn)は、ギリシア神話の人物である。ファオーン、あるいは長母音を省略してパオン、ファオンとも表記される。レスボス島のミュティレーネーの渡守で、親切であったために愛と美の女神アプロディーテーの寵愛を受けたと伝えられている。パオーンの物語は主に古代の著述家パライパトス(英語版)、アイリアーノス、文法学者セルウィウスの言及によって知られており、また詩人オウィディウスの『ヘーローイデス(英語版)』によって古代ギリシアの女流詩人サッポーの悲恋の相手とする伝説も広まった。この伝説は神話上の人物と歴史上の実在する人物との物語であることが大きな特徴となっている。 神話[編集] パライパトス[編集] パオーンとアプロディーテーを描いた古代の壺絵。アッティカ赤絵式カリックス・クラ