太平洋戦争の激戦地、硫黄島(東京都小笠原村)を見渡す昭和初期ごろの写真を、硫黄島開拓関係者のひ孫に当たる根室管内の男性(63)が保管していることが分かった。当時の島のほぼ全体を写した写真は同村教委にも残っておらず、専門家は「農業が盛んだった様子を伝える貴重な史料だ」と指摘する。北海道新聞は「どうしん電子版」で紹介するにあたって、ラディウス・ファイブ社(東京)の人工知能(AI)の技術を使用し、男性が保管する島内の各種風景のモノクロ写真をカラー化した。(酒井聡平) <写真>摺鉢山(すりばちやま)から撮影された昭和初期ごろの硫黄島。山頂から島のほぼ全景を写した写真が多く残されていない理由の一つとして、元島民の山下賢二さん(92)は「摺鉢山は当時、山頂までの道がなく、場所によってははいずって登るような危ない山だった」ことなどを挙げた。以下、写真のコメントはいずれも元島民の山下賢二さん