今回のアラブの激震で、認識しておかなければならないことがある。それは、アラブ諸国には残念ながら、国民によって運営されてきた、共和国は存在しなかったということだ。もちろん、共和国の発足の時期は、必ずしもそうではなかったろう。 しかし、時間が経過するに従って、共和国は大統領の権限が頂点に達し、王国と何も変わらない、独裁国家になってしまったのだ。最初に変革が始まったチュニジアでも、エジプトでも、イエメンでもリビアでもそうだ。そして、これから始まることが予想される、シリアも例外ではあるまい。 これらの国々は、皆共和国と呼ばれ、王国に比べ、民主化が進んだ国家のように、言われてきていた。 他方、王国は常に時代遅れの国家のように、見られてきていた。そのため王国政府は、国民の怒りが爆発しないように、共和国よりもデリケートな神経を使った、国内政策を展開してきていた部分もある。 つまり、共和国で始まっ