世界の環境、文化、動植物を見守り、地球のいまを伝える「ナショナル ジオグラフィック」。そのウェブ版である「Webナショジオ」の名物連載「研究室に行ってみた」を日経ビジネスオンラインの読者にお届けします。第1回は、昨年の震災でにわかに注目を集めた津波について。津波工学研究室からの報告です。 2011年3月11日。日本の東北地方沖で発生したマグニチュード9の巨大地震による巨大津波は、宮城県、岩手県、福島県の3県を中心に、北海道から関東地方の太平洋岸にかけて大きな被害をもたらした。場所によっては波高10m以上、遡上高40m以上を記録。これだけの津波が近代都市を襲ったのは史上はじめてである。3.11からおよそ1年。私たちは何を学び、これから何をすべきなのか。津波工学研究の第一人者が解明した巨大津波の真相と対策。 2011年の3月11日、ぼくは取材でカンボジアに滞在していた。 大地震の発生から2時間